研究課題/領域番号 |
20K03331
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研究機関 | 山梨大学 |
研究代表者 |
川島 亜紀子 (小林亜紀子) 山梨大学, 大学院総合研究部, 准教授 (20708333)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 家族 / 夫婦関係 / 発達精神病理学 / アセスメント / 家族 |
研究実績の概要 |
近年,欧米を中心とした発達精神病理学的実証研究から,子どもを取り巻く家族の問題は,世代を越えて持ち越され,養育環境・発達環境の格差となっていることが示唆されている。そこで本研究の目的は,子どもの健やかな発達を保障するため,家族リスクの比較的低い対象に対する普遍性の高い,実証的に意味のある家庭生活教育を構築するとともに,比較的ハイリスクな状態にある家族に対する効果的な介入方法を検証することである。 そのために,3年次は,リスク評価のためのアセスメント・ツールを作成することを目的とし,これまで行ってきた実証研究データを二次的に分析することを目的とした。多年度にわたる縦断的調査データの一部を用いた二次的分析の結果,夫婦関係を示す指標の経年変化の実態把握,ならびに,経年変化のパターンによって,夫婦を複数のグループに分けることができること,グループを予測する変数とそのパターン,グループから予測される後の家族関係変数との関連について検証した。このデータ解析の結果を現在国際学会誌に投稿中である。またアセスメント・ツールの開発のために行ったWEB調査の結果を国内学会にて発表し(日本心理学会),参加者との意見交換を行うことができた。 2年次に行ったアセスメントツールを用いた予備調査の結果の一部を取りまとめた結果を3年次に国内学会にて発表した。4年次はこの内容をさらに検証するとともに,生理学的指標によって得られるデータを組み込み,更なる検証を行う。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
学内での自身の異動にかかわって,想定していた協力体制との連携がとりにくくなり,研究の方針の変更を余儀なくされたこと,研究補助する学生の募集が難しく,研究の推進が困難であること,新型コロナウイルス対応により,妊産婦を対象としたデータの取得が難しいことが原因である。
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今後の研究の推進方策 |
上記の通り,研究への制約が増している状況から,引き続き周産期カップルを対象とした実証的な調査の難しさが継続すると考えられる。また家庭科を通じた教育が学内体制にかかわり,困難になったことから,教育プログラムの対象を変更することを今年度中に検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
国外研究施設へ研究・研修に行く予定だったが,自身がコロナウイルスに感染する等の理由により困難になったこと,国際学会の開催年度がコロナウイルス感染症対策にかかわり変更されたことが挙げられる。2023年度中に研究内容を投稿するため,論文校閲費として計上した。また,もし採択された場合,2024年に開催される国際学会(International Congress of Psychology(プラハ) およびInternational Society for the Study of Behavioural Development(リスボン))にて参加・発表を予定している。
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