研究課題/領域番号 |
20K03334
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研究機関 | 大阪教育大学 |
研究代表者 |
水野 治久 大阪教育大学, 連合教職実践研究科, 教授 (80282937)
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研究分担者 |
永井 智 立正大学, 心理学部, 教授 (20513170)
本田 真大 北海道教育大学, 教育学部, 准教授 (40579140)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | いじめ / 被援助志向性 / 援助要請 / 研修 / 相談経路 |
研究実績の概要 |
令和2年度は,新型コロナウイルス感染症の影響があり,教育現場は様々な課題が認められた。研究計画の一部を変更し,研究テーマであるいじめの援助要請について学校現場に貢献できる実践研究を行った。休校期間中の小学校において,コロナウイルス感染症における休校期間中及び学校再開後の支援のコンサルテーションを行い,実践記録にまとめた。休校期間中は,オンラインによる支援,学校再開後は,児童の援助ニーズの把握と校内におけるコーディネーション,児童の居場所作りを行った。 加えて,コロナウイルスにより,オンライン・カウンセリングが学校現場でも議論されるようなった。そこで,大学生500名を対象に,対面のカウンセリング及びオンラインのカウンセリングの援助要請意図について研究分担者及び同じテーマの研究者と連携して調査を行った。調査はインターネットによるオンライン調査の方法を採用した。分析の結果,対面におけるカウセリングの援助要請意図,オンラインにおける援助意図にはほぼ同じ変数が影響していた。具体的には, Ina & Morita(2015)の心理専門家に対する援助要請態度尺度,日本語版セルフ・スティグマ尺度,永井・鈴木(2018)の利益・コスト予期尺度,木村・水野(2004)悩みの深刻度尺度,カウンセリングの相談経験が対面,オンラインのカウンセリングの援助要請意図に正の影響を示した。加えて,Lee(2020)のコロナ不安尺度は,オンラインの援助要請意図に影響は認められなかった。対面相談及びオンライン相談について,影響する変数に大きな違いは認められなかった。なお,セルフ・スティグマは予測とは逆の関連を示した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナウイルス感染症における休校措置,緊急事態宣言などの措置があり,学校現場のニーズが変化したため。
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今後の研究の推進方策 |
ストップイットジャパンと連携し,児童生徒を対象とした「いじめ相談通報システム」の開発と運用及び,そのシステムの効果検証に取り組んでいく。ソーシャルディスタンスを確保するために学校現場では教師による児童生徒のサポートの在り方が変化してきている。こうした変化を捉え,ICT機器による相談の受付システムの開発も含めて検討していきたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナウイルス感染症による学校の休校措置,学校再開などがあり,研究が一部遂行できずに,令和3年度に研究を行うことにしたため。
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