研究課題/領域番号 |
20K03340
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研究機関 | 聖徳大学 |
研究代表者 |
相良 順子 聖徳大学, 教育学部, 教授 (20323868)
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研究分担者 |
沢崎 真史 聖徳大学, 教育学部, 教授 (80320703)
宮本 友弘 東北大学, 高度教養教育・学生支援機構, 教授 (90280552)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 中年期 / 現実自己 / 理想自己 / 目標 / 語り |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、人生で様々な変化や葛藤を経験すると考えられる中年期の男女を対象に、自分なりの目標を実現しようとする自己充実的達成動機と精神的健康や幸福感との関連を質的、量的に検討することである。 2022年度は、まず、2021年度の調査の成果を日本心理学会第86回総会でポスター発表をした。30代から60代までの現実自己の評価と、理想との差を懸念するかどうかについて分析した結果を分析した。その結果、3つのタイプが抽出され、現実自己の評価が低く、理想との差を気にする群の精神的健康の低さが予想された。 次に、2022年度の7月に、対象者を40代と50代の働き盛りの年代を対象に新たに第2回目の調査を企画し、実施した。調査票は2021年度とほぼ同一であるが、2022年度の調査は面接調査を加え、質的なアプローチも試みた。面接調査は、7月の調査の対象者で面接に同意した者のうちの10名を対象に8月に実施した。調査の実施は、前年度と同じ調査会社に依頼した。調査計画に関する共同研究者との打ち合わせはオンライン上で行った。分析は、現実自己の評価が困難な目標と直面した場合にどういう対処をするかという観点で行った。その結果、理想とする自己と現実の自己の差異は、困難な目標への対処としての肯定的解釈と負の関連が見出され、目標達成が困難である時でも肯定的解釈をする人ほど理想と自己の差異が少ないことが明らかになった。面接調査の結果からも、その結果を裏付ける語りを見出すことができた。これらの結果は、第一著者の所属する大学の紀要に投稿し、3月に掲載された。その後も2回の調査で得られたデータについて分析を継続している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
1年間の延長となったが、現在までに2回のインターネット調査を終え、2つの論文を発表することができた。今年度は、さらにデータを詳細に分析して、その成果を夏と冬の心理系の学会での発表と学会誌への投稿論文の作成を試みている。したがって、おおむね順調に進展していると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
今年度は、研究期間を延長して、研究成果を日本心理学会や発達心理学会で発表し、学会誌に投稿することを予定している。研究協力者とも打ち合わせをし、データをどのようなテーマで学会発表するか、あるいは論文にまとめるかを決定し、成果を世に出す計画をしている。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初予定していた学会がオンライン開催となり、また、打ち合わせもオンラインになったため、旅費の費用分が持ち越された。今年度は、成果を英文論文にするための翻訳費用と海外での発表に利用する予定である。
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