本研究の目的は、予定の実行や忘却に関係する心的過程の性質、特にその加齢に伴う変化を明らかにすることであった。具体的には、予定を実行する意図の強度や、それが記憶に与える影響、およびそれに関わる要因について調査することが目的であった。この目的を達成するために、幅広い年齢層の参加者を対象に、日常生活において各参加者が立てた予定の性質や、個人の特性、予定実行時の活動について調べた。研究の結果、年齢が上がるにつれて予定を実行することに対する意図の強度が高まることが示された。また、高齢者群では意図の強度と予定についての意図的な想起の経験しやすさとが相関することも明らかとなった。
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