研究課題/領域番号 |
20K03347
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研究機関 | 安田女子大学 |
研究代表者 |
田渕 恵 安田女子大学, 心理学部, 准教授 (70631977)
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研究分担者 |
小島 康生 中京大学, 心理学部, 教授 (40322169)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 保育行動 / 制御焦点理論 / 幼児 / 保育者 |
研究実績の概要 |
【目的】本研究では,制御焦点傾向が形成される時期である幼児期に着目し,保育者の幼児に対する言葉かけ行動の強化に,幼児の反応と言葉かけの種類,そして保育者の年齢が影響するかを検討することを目的とした。前年度行った調査の結果,保育行動には保育者の経験年数が関連していることが分かったため,本年度はさらに多様な保育場面を設定し,保育者の保育行動と経験年数との関連を検討した。 【方法】オンライン調査会社に,対象者の募集と,作成した実験サイトへの誘導を依頼し,現役の保育士150名(女性名110名,男性40名,18-65歳)を分析対象とした。保育経験年数がばらつくよう,各年齢層からなるべく偏りなく対象者を募集した。保育者から幼児への関わり場面を描いたシナリオを作成し,促進焦点の教えと予防焦点の教えのいずれかを保育者が幼児に伝える場面を設定し,さらに保育者の言葉かけに対して幼児が従う場合と,従わない場合を設定した。シナリオを読んだ後,当該幼児に対する関わり方について自由記述を求めた。 【結果及び考察】分析を行った結果,経験年数の短い保育者では,言葉かけの内容と保育行動,幼児への関り意欲が関連しており,予防的な言葉かけを行った場合の方が促進的な言葉かけを行った場合よりも,幼児への継続的な関わり意欲が強かった。一方,保育の経験年数が長い保育者では,言葉かけの内容と幼児への関り意欲に関連が認められなかった。保育の経験年数が長くなればなるほど,個人の保育観が確立され保育行動の一貫性が高まるため,保育場面や言葉かけの内容による差が認められなくなるのではないかと考えられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
前年度に引き続き,現役保育士を対象とした調査を行うことができた。数か所の調査会社を利用し,web調査という手段によって適切な対象者のリクルートができ,研究を進めることができた。
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今後の研究の推進方策 |
感染症の流行が落ち着いてきたため,今後は実際の保育現場における長期的な観察研究を行い,これまで調査研究によって示されてきた知見の検証を行う必要がある。
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次年度使用額が生じた理由 |
感染症の影響により予定していた観察研究が長期的に実施できず,予定していた観察データの分析の委託や謝礼がかからなかったため。
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