研究課題/領域番号 |
20K03351
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研究機関 | 就実短期大学 |
研究代表者 |
鎌田 雅史 就実短期大学, 幼児教育学科, 准教授 (10610040)
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研究分担者 |
三沢 良 岡山大学, 教育学研究科, 准教授 (90570820)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 協働 / 分散型リーダーシップ / 組織市民行動 / 学校組織 / チームワーク / 学校開発 / 社会的アイデンティティ / 社会的勢力 |
研究実績の概要 |
当初予定していた2020年度の研究計画は,学校における教員の協働に関する規定因,促進要因,アウトカムに関する実証研究を展望し,学校教育に関する実践的示唆を得ることであった。本年度においては,学校組織研究の視座から,本研究の中核となる諸理論に戻づく実証研究知見の収集と,研究課題の明確化を試みた。 本研究に関連して,本年度は2件の学会発表(日本教育心理学会,日本学校改善学会)と,1編の紀要論文の執筆を行った。 現在,Barnard(1938)による協働論にあるように,集団のa)共通目標,b)コミュニケーション,c)協働意思が協働体系の構成要素であるという示唆に基づき,Turner(2005)やSimon&Oakes(2006)が提唱する共有アイデンティティから派生する対人影響力に関する理論,共有アイデンティティに基づくリーダーシップ理論(Haslam, Reicher & Platow, 2010), 分散型リーダーシップ理論(Spillane,2006)等に関する実証的研究を収集し,理論的整理を試みている。成果の一部は,勤務校の発行する紀要である就実教育実践研究で公表した。 日本教育心理学会では,学校長による一般教員へのエンパワーメントが教員の自律性を促す効果を,分散型リーダーシップが調整する効果について,調査知見に基づく発表を行った。さらに,日本学校改善学会においては,教員の協働を下支えする基盤としての学校の問題を可視化するために,教員の労働時間に着目し,学校改善の試みと労働時間,教員の心理社会的ストレス反応との関連性について調査より得られた知見を発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルスの感染拡大に伴い,突発的な業務やオンライン授業への対応に追われ,十分なエフォートを研究に向けることが難しい状況となったため,理論研究に関しても当初予定していた2020年度の調査計画に遅れが生じている。
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今後の研究の推進方策 |
2021年度の研究計画では,現職教員を対象とした調査(調査1)とWeb調査(調査2)を実施する予定となっている。文献展望を継続し,先行知見や理論を整理し,協働の規定因,促進要因,アウトカムを検討するための調査計画の具体化および準備を進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルスの感染拡大に伴い,当初予定していた学会や研究会がオンライン化し出張が取りやめとなったことや,勤務校でのオンライ授業や学生指導等等の業務が逼迫したこと,社会的混乱による研究全体の進捗状況がやや遅れていることなどが理由となり,次年度使用予算が発生した。 本年度は,社会情勢を随時モニタリングしながら,調査等の計画を適宜調整していきたい。
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