研究課題/領域番号 |
20K03351
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研究機関 | 就実短期大学 |
研究代表者 |
鎌田 雅史 就実短期大学, 幼児教育学科, 准教授 (10610040)
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研究分担者 |
三沢 良 岡山大学, 教育学研究科, 准教授 (90570820)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 協働 / 教員の自律性 / 分散型リーダーシップ / エンパワリングリーダーシップ / 専門的学習コミュニティ / 社会的価値体験 / 組織文化 / 承認 |
研究実績の概要 |
本研究に関連して,2022年度は合計2回のインターネット調査を実施した。また2件の学会発表(日本教育心理学会),1編の紀要論文(岡山大学教育学研究科収録)による成果発表を行った。また現在,本研究課題に関する論文を1篇,学会誌に投稿中である。 当初の予定では全国調査を郵送法にて行う予定であったが,2020-2022年度の研究実施が,COVID-19の感染拡大に伴う社会的影響によって,研究代表者が研究に十分に時間を割くことが難しい状況に陥いったり,調査対象である学校現場も混乱したりしていたため,研究を進めるのが難しい状況であった。全体の研究計画が遅れている現状で,株式会社アイブリッジが展開するオンライン調査サービスであるFreeasyを利用して,全国の現職教員に対する一斉調査を実施することとした。全国の教育関係者5000名にスクリーニング調査を行い,管理職をのぞく現職の公立小学校・中学校・高等学校に勤務する常勤の現職教員1185名を抽出した。抽出した教員を対象に2度の調査を実施して1000名の回答を得た後,不備のある回答を除き715名(有効回答率71.5%)を分析の対象とした。本調査で得られた知見については,今年度の教育心理学会で発表した後,論文としてまとめ公表する予定である。 学会発表においては,2021年度に実施したオンライン調査に基づいて示された,教員が自律的に活動するためには,①個々の教員の自律的な行為を推奨する組織文化,②教員コミュニティと教員の相互作用から得られる承認に関する社会的認知という前提が必要である可能性について発表を行った。さらに,共同研究者である三沢良氏が実施した,学校における心理的安全性に関する調査についても,協働発表を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2020-2021年度にかけての,COVID-19のパンデミックの影響を受け,学校現場を対象として研究全般に遅れが生じている。また理論研究において,研究計画時には想定していなかった理論(『拡張的学習理論』や『承認論』など)が本研究課題である教師の協働性を支える組織的学習において重要な意味を持っている可能性が示唆されたため,文献研究においても社会学や哲学領域を含め,より広い展望を行う必要性が認められ,当初の予定よりも知見を纏まるのに時間がかかる見通しである。
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今後の研究の推進方策 |
当初の計画では,2023年度は『理論研究および3つの調査研究より得られた知見の統合,成果報告 本研究により得られた知見を統合し,学校教育への示唆を探索する』としていた。 2020年度から2022年度にかけて3度のオンライン調査を実施して現職の教員を対象にしたデータを収集しているが,まだ学会発表に一部公表したのみで充分に成果発表できていない部分があるので,研究知見の整理・統合と公表を目指していきたい。ただ,上記の調査はパンデミックの影響下にあるコーホートに対するものであるため,社会情勢が落ち着いて後の追加調査が必要であると考える。また理論研究においても,やや遅れている点があり,研究期間の延長も視野に入れ,心理学領域だけではなく社会学や哲学などより広い領域に対する文献購読も進めていく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
COVID-19によるパンデミックの影響で,当初予定していた研究会および学会のための研究旅費は執行されなかった。また同様の理由から,郵送調査をオンライン調査に代替した関係で,調査にかかる予算も少なくなっている。 ただ,パンデミックという特殊な状況は本研究のテーマに影響を与えている可能性もあり,さらなる追試が必要であると考えられる。研究成果の公表についても,対面での学会における情報交換は必要であると考える。社会情勢を随時モニタリングしながら,柔軟に対応していきたい。
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