研究課題/領域番号 |
20K03378
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
矢藤 優子 立命館大学, 総合心理学部, 教授 (20352784)
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研究分担者 |
肥後 克己 明治大学, 理工学部 認知脳科学研究室, 研究推進員 (70795351)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | オキシトシン / コルチゾール / 生理指標 / 母子関係 / 縦断研究 |
研究実績の概要 |
本研究では,子どもを持つ母親に研究協力を依頼し,妊娠25週~32週,産後1ヵ月,産後6ヵ月,産後12ヵ月の時点での唾液サンプルの採取を行った。質問紙調査,行動観察を併せて行い,唾液中バイオマーカー(コルチゾール・オキシトシン)と,生活状況や子どもの発達,母子の関係との関連を調べた。本研究の結果から,産後1~12ヵ月ではコルチゾールの起床時反応が小さくなることが確認された。起床時反応は疲労やバーンアウトなどにより小さくなることが示されており(Chida and Steptoe, 2009),産後1年間の母親の状態を反映している可能性が考えられる。妊産婦用QOL質問紙を用いてQOL得点とコルチゾール濃度の関連を調査した結果,QOLの総得点と産後1ヵ月時点でのコルチゾールの一日の総分泌量とQOL得点の間に有意な正の相関が認められた(r = .49, p < .05)。Izawa et al.(2012)では,高ストレスな状態ではコルチゾール濃度が高くなると報告されているが,本研究ではQOLが高いほどコルチゾール濃度も高くなっており,反対の結果が示されている。ストレッサーの強度や期間によってコルチゾール動態は変化することが知られており,本研究で見られたQOLとコルチゾール濃度の正の相関は,出産後の女性の心身の状態を反映した特有の現象である可能性がある。母子の関係と子どもの発達について,かかわり指標(安梅ら,2007)を用いた行動観察調査を行い評定した。生後6ヵ月時点の子どもの共感性と母親のオキシトシン濃度の間に負の相関(r = -.72, p < .01)が認められた。18ヵ月~48ヵ月児を対象として同様の研究を行ったMiura et al.(2014)でも同じ結果が報告されている。本研究の結果は,この関連が少なくとも生後6ヵ月の時点で生じていることを示している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナ禍を受けてデータ収集が予定よりも遅れたことによる。2023年度には当初予定していたデータ数の収集,論文公表が成し遂げられることを見込んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
コロナ禍による進捗の遅れを取り返し,論文化を進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍によりデータ収集・分析作業がやや遅れているため
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