研究課題/領域番号 |
20K03384
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研究機関 | 秋田大学 |
研究代表者 |
北島 正人 秋田大学, 教育文化学部, 教授 (30407910)
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研究分担者 |
宮下 敏恵 上越教育大学, 大学院学校教育研究科, 教授 (40308226)
平部 正樹 東京未来大学, こども心理学部, 准教授 (20366496)
伊藤 麻里 秋田大学, 学生支援総合センター, 特任講師 (20867741)
木村 久仁子 秋田大学, 教育文化学部, 准教授 (90884388)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 感情への恐れ / 薬物乱用 / 心理教育的アプローチ / 公正世界信念 / 感情抑制 / 環境認知 |
研究実績の概要 |
【研究の目的】 本研究は、薬物事犯、窃盗・詐欺事犯等の犯罪者の心理的特性を明らかにし、①犯罪行動のみならず日常的にみられる感情、認知、行動等における不適切さとの関連、②問題ある特性の生起要因から導かれる、再犯防止に向けた修正アプローチの検討を目的とする。犯罪者自身および一般市民の否定的態度を、不適切な公正世界信念という視点からアプローチを検討する。特に累犯者を対象として、否定経験と感情制御困難との関連、犯罪行動の強度(累犯回数、初犯年齢など)との関連を明らかにし、彼らの公正世界信念と、受容する側の一般市民の公正世界信念を捉えることで、幼少期に影響を受けた問題行動傾向の把握、再犯防止、社会による受容へのつながりを検討していく。 【2021年度の研究成果】 2020年度には,受刑者367名を対象に,感情への態度と薬物乱用者の心的特性との関連について調査した。また,追加研究として,82名を対象に,その心理的援助プログラムを実施し,その効果について検討した。 しかし,2021年度は新型コロナウィルスの感染再拡大により,研究を目的とした対象施設への出入りがむずかしくなったため,2021年度に予定していた調査研究は実施することができなかった。2021年度は調査にかかわる物品・環境の整備,また環境心理学の専門的見地から助言を得るなどして翌年度を目指した準備を行った。 なお,この間,対象者の環境認知を研究に加味することを検討した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
2021年度の新型コロナウィルス感染再拡大により,研究対象施設への研究目的での立ち入りがむずかしくなったため,当該年度に予定していた2つの調査計画は実施することができなかった。 現在は2022年に前年度調査内容を実施することを計画し,その準備を進めている。
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今後の研究の推進方策 |
前年度に実施することができなかった2つの調査計画を,2022年度に実施する予定である。 1.負情動と身体感覚の否定経験による,感情制御や行動抑制の困難さ,不快な感情刺激への脆弱性を抱える可能性がある。特異的な行動化といえる犯罪を行った者の情動における特性と,感情や行動における特性との関連について明らかにする。 2.犯罪を行った者のもつ公正世界信念と,感情・認知・行動の特徴との関連について明らかにする。 さらに「環境認知」の視点を加えるため,環境心理学の研究者を共同研究者に追加して研究を進めていく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
・新型コロナウィルス感染再拡大により,研究代表者と分担者が対面による会合を行うができなかった。そのため,旅費を使用することができなかった。 ・新型コロナウィルス感染再拡大により,2021年度に予定していた調査が実施できなかったため,謝金を使用して行うデータ入力が実施できなかった。これは2022年度に実施し,謝金を使用する予定である。 ・研究分担者が刑務所の所在地を来訪し,打合せや研究資材を購入することができなかった。そのため予定していた経費の支出が抑制されることとなった。これらは2022年度調査に関する経費として使用する予定である。
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