研究課題/領域番号 |
20K03399
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研究機関 | 白百合女子大学 |
研究代表者 |
眞榮城 和美 白百合女子大学, 人間総合学部, 准教授 (70365823)
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研究分担者 |
梅崎 高行 甲南女子大学, 人間科学部, 准教授 (00350439)
田仲 由佳 清泉女学院大学, 人間学部, 講師 (30621122)
酒井 厚 東京都立大学, 人文科学研究科, 准教授 (70345693)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 自己有能感 / 社会的受容感 / 社会情動学習 / 就学移行期 / 縦断研究 |
研究実績の概要 |
2020年度は、コロナ禍での対応が求められたため、当初計画していた家庭観察をスタートすることが困難であった。そこで、これまでに蓄積されてきているデータの分析を通して、今後の研究基盤を構築することを目的として、研究成果をまとめた。 就学移行期にある子どもの学校適応を支える社会性と情動の発達に関わる家庭環境要因に焦点をあて、特に、就学前の「学ぶ姿勢」の獲得に関わる家庭内要因について検討した。具体的な検討仮説は次の通りであった。①就学後のQOLの高さに就学前の知的コンピテンスがポジティブな影響を及ぼす。②就学前の知的コンピテンスの発達には、家庭環境要因として親の一貫性のある養育態度・親の教育的関わりがポジティブな影響を及ぼす。調査対象者は就学前後(就学前6歳時点とその1年後)の2時点調査に協力が得られた103家庭(母親平均年齢38.87歳)であった。分析の結果、就学前の知的コンピテンスが就学後のQOLに影響を及ぼしていることが示唆された。幼児期の知的コンピテンスの発達には、親の教育的関わりが影響を及ぼしていた。また、教育的関わりには親の権威的養育態度が影響していることが示された。また、親の権威的養育態度には、母親の全体的自己価値感が影響を及ぼしており、さらに、母親の全体的自己価値観に夫婦関係(配偶者への信頼感)が影響していることが示唆された。以上の結果は、家庭における教育的関わりの重要性の再確認、および、家庭における教育的関わりが可能となる環境について考える視点の提供につながるものと考えられることから、今後はさらに家庭内での社会情動的学習経験に関わる親子相互作用についても詳細な検討を行っていく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
新型コロナウイルス感染症対策に伴い、当初予定していた調査対象者リクルートやご家庭に出向いて実施する観察調査が遂行できなかったため。
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今後の研究の推進方策 |
昨年度末頃からオンラインでの調査実施を模索している。オンライン調査の展開可能性が出てきているため、今後も調査実施内容を精査しながら準備を進めていく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染症対策のため、当初予定していた調査対象者のリクルート活動や家庭観察の実施が困難となり、家庭訪問を予定していた分の旅費や人件費、備品購入が生じなかったため。 次年度には調査時に必要な検査備品の購入、得られデータを解析する際に用いるソフト、PCなどを購入し研究を遂行していく予定である。
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