研究課題/領域番号 |
20K03405
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研究機関 | 川崎医療福祉大学 |
研究代表者 |
岡野 維新 川崎医療福祉大学, 医療福祉学部, 助教 (10824021)
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研究分担者 |
武井 祐子 川崎医療福祉大学, 医療福祉学部, 教授 (10319999)
門田 昌子 川崎医療福祉大学, 医療福祉学部, 講師 (20549620)
竹内 いつ子 川崎医療福祉大学, 医療福祉学部, 講師 (30760665)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | ASD / 学童期 / 情動制御 / 情動制御方略 |
研究実績の概要 |
本研究では,学童期におけるASD児を対象に,ネガティブな情動が生じる場面において自分の気持ちを落ち着かせるためにどのような方略を用いているのか,その特徴を明らかにすることを目的としている。本研究を通して学童期のASD児の情動制御方略の実態を把握するとともに,必要な介入について検討できると考えられる。 令和2年度の研究成果として,まずコロナ禍において実施可能な研究計画の見直しを行った。当初の研究計画では方法として実験場面を設定した観察を行うことを想定していた。しかし,新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から,そしてより生態学的妥当性の高いデータを得るという観点から,ソーシャルディスタンスを確保できる,自然観察を行うこととした。 そして倫理委員会の申請を行い承認された。 また調査フィールドである施設長および職員にインフォームド・コンセントを行い,同意を得ている。 現在は対象となる子どもの養育者および子ども本人にインフォームド・コンセント,およびアセントを行い,データを取得する準備を整えている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究がやや遅れた理由として,まず新型コロナウイルス感染症の影響により業務への対応に時間を多く割かれたことがあげられる。新型コロナウイルス感染症の影響により通常以上の業務を行う必要が生じ,研究に割く時間を確保できなかった。 次に新型コロナウイルス感染拡大防止のため調査フィールドへ赴き打合せや説明等を行うこと,そして調査実施を自粛せざるを得なかったことがあげられる。研究を進めるために対象となる子どもおよびその養育者,調査フィールドとなるに施設に迷惑をかけることは研究倫理に反するため,自粛を余儀なくされた。 以上のことから当初の計画よりもやや遅れが生じた。
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今後の研究の推進方策 |
今後は研究計画に基づきフィールドでの調査を実施する。まずはASDのある学童期の子どもの自然観察を通してデータの収集し,分析を行い,学童期ASDのある子どもの情動制御方略についての特徴を抽出する。 また同時進行で,定型発達の学童期の子どもを対象に同様の手法を用いて研究・調査を行う。そのために,倫理申請を行い倫理委員会にて承認を得る。その後は養育者および対象となる子どもにインフォームド・コンセント,アセントを行う。そして調査を実施し,データを分析し,学童期定型発達の子どもの情動制御方略についての特徴を抽出する。 そして,両者の知見を見比べ特徴を同定し,必要な介入方法や次なる研究の示唆を得る。 また随時学会発表および論文投稿を行い,外部からの指摘を受け,研究を精錬させていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度使用額が生じた理由について,令和2年度は新型コロナウイルス感染症の影響により研究計画に基づく研究実施の自粛および困難な状況に度々見舞われた。そのことに伴い,助成金の使用も否応なく見合わせる事態が生じたためである。 次年度は研究を実施できる見通しがあるため,当初の計画に基づき助成金を使用する予定である。
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