研究課題/領域番号 |
20K03406
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研究機関 | 徳島文理大学 |
研究代表者 |
松本 有貴 徳島文理大学, 人間生活学部, 教授 (90580887)
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研究分担者 |
石本 雄真 鳥取大学, 教育支援・国際交流推進機構, 准教授 (90612309)
瀧澤 悠 鳥取大学, 地域学部, 特命助教 (40902193)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 子どものウェルビーイング / 子どものウェルビーイング尺度 / 学級適応尺度 / 社会的サポート認知尺度 / ウェルビーイングダイアリー |
研究実績の概要 |
1年目は、子ども対象のウェルビーイング尺度日本語版を作り信頼性と妥当性を確認した。海外のウェルビーイング教育の先行知見を収集した。 2年目の研究として、子どものウェルビーイングの向上のための教材開発、研究協力小学校8校におけるデータ収集、学会発表、英語学術雑誌への論文投稿を行った。しかし、当初の計画内容に幾つかの修正が行われた。 教材は、コロナ禍である状況から、クラス、グループによる交流が入る活動ではなく、個人活動としてできるウェルビーイングダイアリー「WEダイアリー」を開発し、冊子として個人に配布し記入する活動として実施した。指導者となる教員向けにはシートを作成し、マニュアル本に替えた。 協力校として近畿、四国、中国地方の8小学校632名の参加を得たが、介入群と統制群への割り付けを変更した。参加の時期がずれたこと、地域差が懸念されることにより、ウェルビーイング群、他のプログラム群、統制群という3群に割り付けて効果を比較することはできなかった。研究参加の時期が同時であり、同じ地域の2校を介入群と統制群に分け、3時点(介入前、介入後、フォローアップ)の2群比較によりプログラム効果を測った。参加校全体の3時点のデータ分析によるプログラム効果も調査した。尺度は、子どものウェルビーイング尺度、学級適応尺度、社会的サポート認知尺度を用いた。これらの尺度の各要因の関係を調べるために、8校の介入前データを用いて、ウェルビーイング、学級適応、社会的サポート認知の関係を分析した。オンラインにより実施された国内外の学会に参加し発表した。英語学術論文は2本投稿し査読途中である。 ホームページを作成し、そこでeラーニングとして使えるコンテンツを提供するという作業は計画中である。地域活動を進めるNPOなどと連携しコンテンツの提供を測ることで広範囲にプログラムを提供するシステムを作るために検討を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
各段階で修正はあるものの2021年度の実施予定であった7項目はほぼできている。7項目とは、協力校決定、プログラム開発、研究者と実践者の会、データ収集と分析、プログラム遂行、eラーニングの完成、学会発表と論文発表、であった。eラーニング完成についてはシステムを検討中であり、実施できていない。 子どものウェルビーイング教育プログラムとして開発されたWEダイアリーは、数回のセッションによるプログラムとは異なる。個人活動として、感謝の対象と内容、その日体験した感情、楽しかったこと、楽しみなことを、児童自身が見開き2ページに記録する日記形式となった点が、数セッションをクラスで行う形式とは異なる。eラーニング開発についてもこの変更点を反映し、コンテンツをどう提供し、実践をどう支援していくかなど、オンライン上で提供するシステムについての議論が必要になった。 海外で実践されている子どものウェルビーイング教育に学ぶという1年目に設定していた計画は本年度も実施できていない。ユニバーサル設定で行うウェルビーイング教育がウェルビーイングダイアリーによる支援とともに効果的に実践できるのかなどを検討課題とし、議論を重ねる必要がある。 eラーニングとしてプログラムを提供するシステム作りが3年目の計画の中心となる。本年度の実践に基づき「WEダイアリー」の内容と効果を振り返り、海外のウェルビーイング教育の知見に学び、プログラムを改善して、eラーニングプログラムとして提供できるシステム構築に取りかかることができる。
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今後の研究の推進方策 |
WEダイアリーの内容を精査し改善するとともに、WEダイアリーをeラーニングとしてオンラインで提供するシステムを構築する。全国の小学校に実施を拡大できるためには、何をどうシステム化していくのか、どういう機関や団体と連携していけるのか検討する。可能な案を出し合いより効果的で効率的なシステムを構築する。 また、その過程で、海外で効果をあげているウェルビーイング教育に学び、それらの内容を反映し、より効果的にウェルビーイングを促進するプログラムの改善を行う。 国内外の学会で成果を報告し、学術雑誌に研究結果を発表する。
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次年度使用額が生じた理由 |
ウェルビーイング教育の教材として、コロナ禍の状況を鑑み、児童が各自記入する日記形式のWEダイアリーを開発した。教材開発、作成、送料などの経費が予定していた金額よりも低くなった。 研究協力校リクルート活動をNPO団体に委託し、主に電話とメールで対応したため、旅費にかかる費用が想定していた金額より低くなった。また、国際、国内学会ともにオンラインで参加したため、旅費が発生しなかった。 最終年度の研究計画としてWEダイアリーをオンラインで実装化する。eラーニングとして効果的に提供するために専門家のアドバイスを求め、外部委託によりシステム構築するための経費が必要である。 国内外の学会で発表するとともに、学術雑誌に投稿する。参加費、旅費、英文校正などに経費が必要である。
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