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2023 年度 実施状況報告書

ウェルビーイング教育の開発、教育効果の検証、及び、教育の普及システムの構築

研究課題

研究課題/領域番号 20K03406
研究機関徳島文理大学

研究代表者

松本 有貴  徳島文理大学, 人間生活学部, 教授 (90580887)

研究分担者 石本 雄真  鳥取大学, 教育支援・国際交流推進機構, 准教授 (90612309)
瀧澤 悠  都留文科大学, 文学部, 特任講師 (40902193) [辞退]
研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2025-03-31
キーワード子どものウェルビーイング / 社会性と情動の学習(SEL) / 子どものウェルビーイング尺度 / 社会的サポート認知尺度 / 感謝の介入 / ウェルビーイングダイアリー
研究実績の概要

本研究は、感謝の介入としてウェルビーイングダイアリーを小学生に実施し、子どものウェルビーイング向上を図ることを目的とする。研究協力依頼に応じた小学校のうち、介入群と待機群の2群設定の条件に合う2年生を対象にした。8週間ダイアリーを記入した介入群に、記入していない待機群に比べ、ウェルビーイングの有意な向上が見られた。また、社会的サポート認知に有意に近い向上が見られた。これらに関する研究実績として次の4点を挙げる。まず、介入による子どものウェルビーイングの向上における研究結果をまとめ、英語学術論文に投稿し査読者からのコメントに対する回答を準備している。ソーシャル・エモーショナル・ラーニングをベースとする感謝の介入であることから、Social and Emotional Learning: Research, Practice, and Policy に投稿した。次に、研究結果の学会発表では、第33回国際心理学会に抄録を投稿し受理された。2024年7月にプラハで開かれる大会にて発表する。
学術的な発表の他に、業績の3番めとして、主に子どもを支援する人を対象とする書籍を出版し、広く社会に研究結果を紹介する機会を得ることができた。感謝の介入の方法や研究について、日常生活の中で期待できる効果を共同研究者と分担してまとめている。当初はオンラインによる広報活動を計画していたが、書籍として発表する意義があると考えた。
最後に、令和5年度実施予定であった国際共同研究の進捗である。オーストラリアの小学校などにおいてデータを収集するためにはオーストラリアで倫理申請を行う必要があり、共同研究者とともにその申請の準備を行っている。時間がかかるため、2回目の延長を行った。日本語と英語の教材の検討やデータ収集の方法については話し合うことができている。
最終年度となる次年度で、論文、書籍、国際共同研究を終了する。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

研究期間を延長したことにより、研究成果をソーシャル・エモーショナル・ラーニング(SEL)の学術誌に投稿できるようにまとめることができた。また、第33回国際心理学会においても発表抄録が受理された。一般書籍としてまとめ、研究結果を広く告知する機会を得ることができた。目標としてきたオンラインによる普及活動よりも、一般書籍化による普及により大きな効果があると期待している。
しかし、令和5年度の目標であった国際共同研究においては、オーストラリアにおける倫理申請が遅れているため、実施することができなかった。それでも、共同研究者が来日した期間に、日英の教材と研究方法を検討することができているので、倫理申請が通れば、すぐに取りかかる準備ができている。
感謝の介入データの分析が終了し、研究成果を、当初の計画通り英語学術誌と国際学会で発表するが、SEL学術誌に投稿できたこと、国際心理学会で発表できることなど予想以上に成果を達成できている。さらに、研究内容と成果を書籍化できること、国際共同研究においてウェルビーイングダイアリーの効果を調査できることは、当初の計画より発展的な成果である。ただ、本年度中に終了することができなかったため、もう一年研究期間を延長する必要がある。

今後の研究の推進方策

研究成果の社会的還元に関しては、英語学術論文は、査読結果を受け、修正や加筆を行い、再投稿する。受理されている第33回国際心理学会で発表する。
書籍の完成まで遂行を重ね出版する。心理学の知見から感謝、感謝の介入のメンタルヘルスにおける効果を分かりやすく紹介し、本研究の意義、目的、内容、成果を発表する。
国際共同研究は、倫理申請の受理を待って、データ収集に取りかかる。
以上4点ともに進行中であり、次年度に完了する予定である。

次年度使用額が生じた理由

査読者からのコメントに対応する修正が進行中の英語学術雑誌へのオープンアクセス投稿料、受理されている国際学会で発表するための旅費、国際共同研究のための英語教材作成費用が必要になる。次年度使用額の経費をこれらの補助として使用する予定である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2024 2023

すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件) (うち招待講演 1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Effectiveness of universal school-based social-emotional learning programs in promoting social-emotional skills, attitudes towards self and others, positive social behaviors, and improving emotional and conduct problems among Japanese children: a meta-analytic review2023

    • 著者名/発表者名
      Takizawa Yu、Bambling Matthew、Matsumoto Yuki、Ishimoto Yuma、Edirippulige Sisira
    • 雑誌名

      Frontiers in Education

      巻: 8 ページ: 1-20

    • DOI

      10.3389/feduc.2023.1228269

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [学会発表] SEL(社会性と情動の学習)はどうウェルビーイングに貢献するのか:SELの観点からウェルビーイングに関する研究結果の報告2024

    • 著者名/発表者名
      松本有貴
    • 学会等名
      第14回SEL研究大会
    • 招待講演
  • [図書] レジリエンスを育てよう : 子どもの問題を予防・軽減するYOU CAN DO IT!2023

    • 著者名/発表者名
      山本利枝、渡辺梨沙、松本有貴、マイケル・E・バーナード
    • 総ページ数
      256
    • 出版者
      新評論
    • ISBN
      978-4-7948-1247-6

URL: 

公開日: 2024-12-25  

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