研究課題/領域番号 |
20K03410
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
榎本 眞理子 東京大学, 相談支援研究開発センター, 講師 (40632394)
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研究分担者 |
慶野 遥香 筑波大学, 人間系, 助教 (10633224)
伊藤 理紗 東京大学, 相談支援研究開発センター, 助教 (10832983)
高野 明 東京大学, 相談支援研究開発センター, 准教授 (50400445)
杉江 征 筑波大学, 人間系, 教授 (70222049)
藤原 祥子 東京大学, 相談支援研究開発センター, 助教 (80632405)
江上 奈美子 東京農工大学, 学内共同利用施設等, 講師 (80708793)
古川 真由美 東京大学, 相談支援研究開発センター, 学術支援専門職員 (80747519)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 学生相談 / プロセス評価 / クライエントフィードバック |
研究実績の概要 |
本研究では、学生相談を研究フィールドとして、学生相談実践に適したアウトカム評価を用い、クライエントフィードバックによる介入プロセスを評価する手法の実用化を目指している。初年度は、研究1において、クライエントから定期的にフィードバックを受けるアウトカム評価法として、個別相談の効果測定尺度(「学生相談アウトカム尺度(仮)」)を作成すること、またその尺度を研究代表者が所属する大学の相談機関において相談活動に用いることを計画していた。 本年度は、まず学生相談アウトカム尺度(仮)の作成を目指した。その際、着目したのは、利用学生の心理的成長や学生生活上の充実感を評価する項目を尺度の中に盛り込むことであった。既存のOutcome Questionnaire-45.2(OQ-45,Lambert et al)等の尺度は、主に心理的症状や不適応の程度を重点的に測定しており、学生相談実践で重視される心理的成長や充実感を評価できないという課題があったからである。 そこで、川崎(2017)と田中(2017)をもとに心理的成長、充実感を評価する項目を含めた学生相談アウトカム尺度(仮)を作成し、尺度の妥当性、信頼性を検討するため、学生相談アウトカム尺度(仮)およびOQ-45とMental Health Continuum Short Form(MHC-SF)から抽出した項目からなる質問紙を2017年4~6月に大学生321名を対象に実施していた。本年度はその結果の分析を進めているところである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初予定していた「学生相談アウトカム尺度(仮)」の作成及び学生相談実践において尺度を導入するところまで至らなかった。コロナ禍により研究代表者・研究分担者の本務である相談機関体制整備や相談業務が繁忙となったためである。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、研究1で達成できていない「学生相談アウトカム尺度(仮)」の完成を目指す。尺度作成を終えたのち、まずは研究代表者の所属相談機関において学生相談実践場面に尺度を導入し、その有用性を検討する。加えて、一般大学生、青年にたいしてもインターネット調査を行ってその結果を比較する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍の影響により、研究代表者・研究分担者が本務の相談体制整備や相談業務に繁忙であったため、十分な研究活動を行う時間的猶予をもてなかったこと、研究者間の対面会議用の旅費等を想定していたものがオンラインミーティングに代替されたこと等が理由である。次年度にインターネット調査の調査実施費用等が発生するため、その費用として活用したい。
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