研究課題/領域番号 |
20K03412
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
鈴木 健一 名古屋大学, 心の発達支援研究実践センター, 教授 (10284142)
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研究分担者 |
山内 星子 名古屋大学, 学生支援本部, 助教 (00608961)
杉岡 正典 名古屋大学, 心の発達支援研究実践センター, 准教授 (70523314)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 発達障害 / 大学院生 / 主体性 |
研究実績の概要 |
本研究は「発達障害とその傾向を持つ大学院生(以下,発達障害院生)」の大学適応と主体性を促進するため,学生相談(援助場面)と大学生活(現実・教育場面)を連動させ,大学ぐるみの包括的発達支援モデルを構築することを目的とした4年間の実践的研究である。初年度にあたる2020年度では,大学院生の発達障害傾向と適応状態を検討するため,webアンケートを実施し,1157名の有効回答を得た。分析の結果,発達障害傾向を有する学生が一定数いること,彼らの大学適応は相対的に低いことがうかがえた。また,昨年度データと縦断分析したところ,大学院2年になると,1年生時より,発達障害傾向から生じる困り感が低下していることが示唆された。大学院生活・研究環境における友人や指導教員の関わりやサポートが有効である可能性があり,本研究にとって重要な知見である。 また,新型コロナウイルス感染拡大の影響を調べるため,小規模ではあるが,webアンケート実施の半年後に追跡調査を実施した。新型コロナウイルス感染拡大による大学生活の変化が学生に与える影響やその支援について資料論文にまとめた。感染症拡大が発達障害院生の適応感に与える影響について今後も検討していく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ベースとなる発達障害院生の調査データを予定通り収集し,分析・検討が可能であった。また,当初の計画では,発達障害学生支援の盛んな国内の大学視察を含めていたが,新型コロナウイルス感染拡大のため,視察は延期し,オンラインで開催された学会や研究集会の際に発達障害院生に関する情報交換うことで代替した。
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今後の研究の推進方策 |
2021年度は,発達障害院生に対して追跡調査を行い,縦断的変化を検討する予定である。また,発達障害院生の適応感と主体性発現の状況を分析するため,グループ活動・集団活動支援を実施する予定であるが,新型コロナウイルス感染状況に応じて,対面で実施するか,オンラインで実施するか検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍により紙質問紙をwebアンケートへ切り替えたことで紙代金の予算が残高として生じた。次年度、webアンケートデータ保存用USB購入代金として使用予定である。
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