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2023 年度 実施状況報告書

学生相談と教員の協働による発達障害院生の主体性発達支援モデル構築に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 20K03412
研究機関名古屋大学

研究代表者

鈴木 健一  名古屋大学, 心の発達支援研究実践センター, 教授 (10284142)

研究分担者 杉岡 正典  名古屋大学, 心の発達支援研究実践センター, 准教授 (70523314)
山内 星子  中部大学, 人文学部, 准教授 (00608961)
松本 寿弥  名古屋大学, 学生支援本部, 講師 (40735958)
研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2025-03-31
キーワード発達障害 / 主体性 / 自律性 / 対人関係
研究実績の概要

本研究は「発達障害とその傾向を持つ大学院生(以下、発達障害院生)」の大学院適応と主体性を促進するため、学生相談(援助場面)と大学生活(現実・教育場面)を連動させ、大学ぐるみの包括的発達支援モデルを構築することを目的とする。そのため、発達障害院生の主体性の発現と大学生活の場に般化するプロセスを縦断的に検証する。研究全体としては以下の4点を実施している。
(1)「発達障害院生の主体性・自律行動が発現する対人的要因の検討」:学生相談の実践や文献研究を行った。①1対人スキルの習得のみならず対人関係に要する蓄積時間が重要であること、②直接的な対話のみならず、同一空間における競争や協力といった児童期の発達課題が重要であることが明らかになった。
(2)「主体性・自律行動が大学生活場面へと般化する要因とそのプロセスの追跡調査」:教員と連携しながら、大学院生が研究室においてどのように主体性を発現させるプロセスをグループワークの実施を通して検討した。グループワークには教員も大学院生も共に参加して行われ、同じ研究活動を行っていても、大学院生の認識と教員のそれに違いがあること、また、そのズレを検討することの重要性が明らかとなった。
(3)「国内外の大学視察、教員の発達障害院生指導の現状と困り感、教員の役割の検討」:他大学の教員から研究指導体験を聴取した結果、障害学生支援室などの支援機関との連携の重要性が示唆された。
(4)「発達障害院生の適応と主体性を支援する援助指針(ガイドライン)を策定しその有用性の検証」:ガイドライン作成のための基礎的な情報収集ならびに支援 実績の収集を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

2023年度は、2021年、2022年度にコロナ禍により実施ができなかった研究3「グループ支援」を実施し、適応感と主体性の発現する対人的状況と支援者との相互作用を検証した。そのため、2023年度に実施予定であった研究4「大学生活場面での追跡調査」を検討するに至らなかった。主体性の発現が大学生活場面(研究活動やゼ ミナール,対人関係)へと般化する(しない)要因とそのプロセスについては次年度に検討することにした。

今後の研究の推進方策

2024年度は、2023年度に実施できなかった研究4「大学生活場面での追跡調査」を実施し、大学生活場面での追跡調査を行う。研究3で4群に分類した群毎に、主体性の発現が大学生活場面(研究活動やゼミナール、対人関係)へと 般化 する(しない)要因とそのプロセスを明らかにする。研究3に参加した院生の指導教員を対象に3か月に1回(年4回),発達障害 院生の対人関係場面における主 体性 発現を問う質問紙調査と面接調査を行う予定である。その結果よりガイドラインを策定し、そのガイドラインの有効性を研究5「事例研究」により検証を 行う予定である。

次年度使用額が生じた理由

2023年度は、2021年、2022年度にコロナ禍により実施ができなかった研究3「グループ支援」を実施したため、研究計画が1年延期せざるを得なかったことと、それによって、当初予定していた海外における研究成果報告を2023年度に実施できなかったために、2024年度に海外における研究成果報告のための旅費として使用する予定である。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2024 2023

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 学生相談におけるアナログゲームを介したグルー プ活動の試み2023

    • 著者名/発表者名
      杉岡正典・鈴木健一
    • 雑誌名

      学生相談研究

      巻: 44 ページ: 1-11

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 新型コロナウイルス感染拡大時における学部2年生以上の学生のメンタルヘルス2023

    • 著者名/発表者名
      小橋亮介・杉岡正典・山内星子・松本寿弥・織田万美子・鈴木 健一
    • 雑誌名

      学生相談研究

      巻: 43 ページ: 265-271

    • 査読あり
  • [学会発表] 研究環境支援の取り組み2024

    • 著者名/発表者名
      松本寿弥、杉岡正典、鈴木健一
    • 学会等名
      全国学生相談研究会議
  • [図書] 天才の臨床心理学研究2024

    • 著者名/発表者名
      名古屋大学創造性研究会、松本真理子
    • 総ページ数
      216
    • 出版者
      遠見書房
    • ISBN
      978-4866161938

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公開日: 2024-12-25  

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