研究課題/領域番号 |
20K03417
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
吉原 一文 九州大学, 医学研究院, 講師 (20444854)
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研究分担者 |
元村 祐貴 九州大学, 芸術工学研究院, 助教 (50645273)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 愛着 / 見捨てられ不安 / 親密性の回避 / 感情制御 / Voxel-based morphometry / 脳体積 |
研究実績の概要 |
【背景】愛着スタイル(見捨てられ不安や親密性の回避)が、感情の制御に影響を与えることが報告されている。そのため、見捨てられ不安が強い人や親密性の回避が強い人は、感情の制御に関連する脳体積に違いが認められることが予想される。そこで、本研究では愛着スタイルの違いによる脳の灰白質の形態学的な相違について調べることを目的とした。 【方法】健常者135名(男性60名、女性75名、平均年齢21.3歳)を対象として、愛着スタイルの質問紙である「一般他者に対する愛着スタイル(ECR-GO:Experiences in Close Relationships-Generalized Other、下位尺度は「見捨てられ不安」と「親密性の回避」)」を施行し、同日に磁気共鳴画像法(MRI:Magnetic Resonance Imaging)検査を施行した。T1強調画像による脳の形態学的な画像解析には、SMP8(Statistical Parametric Mapping;https://www.fil.ion.ucl.ac.uk/spm/)のVBM(Voxel-based morphometry)を用いた。このVBMを用いて、愛着スタイルの下位尺度である「見捨てられ不安」や「親密性の回避」の得点と脳の灰白質体積との相関を調べた。統計学的な有意水準は、全脳解析においてクラスターレベルでFWE(Family wise error)補正でp値が0.05未満とした。 【結果】見捨てられ不安の得点と右補足運動野~中心前回の灰白質の体積との間に正の相関が認められた。また、親密性の回避の得点と左側頭極の灰白質の体積との間に負の相関が認められた。 【考察】中心前回や側頭極は、感情制御に関連する脳領域であり、愛着スタイルの違いによってこれらの脳領域の体積に変化が生じ、感情制御に影響を与えている可能性がある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予定の参加者全員の脳画像の撮像が終了し、プライマリーの解析を終了することができたため。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、愛着スタイル(親密性の回避や見捨てられ不安)の違いによる安静時脳活動や脳内ネットワークの相違について調べることを目的とする。方法は、磁気共鳴画像法(MRI)を用いて安静状態の脳機能画像を撮像する。撮像後は、脳画像の解析および心理指標との関連についても解析を行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナ感染の流行によって国際学会が中止になり、国内の学会はすべてWEB上で開催されたため、2021年度の使用額が減少した。 2022年度には、新たな参加者を募集して実験を行い、より詳細な脳画像解析を行う予定である。
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