研究課題/領域番号 |
20K03418
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研究機関 | 県立広島大学 |
研究代表者 |
細羽 竜也 県立広島大学, 保健福祉学部(三原キャンパス), 教授 (40336912)
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研究分担者 |
越智 あゆみ 県立広島大学, 保健福祉学部(三原キャンパス), 准教授 (60445096)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 仕事の負担 / 仕事の資源 / ワークエンゲージメント / 管理職経験 / 離職意図 |
研究実績の概要 |
本研究では,「Job-Demands-Resource Model(JD-Rモデル)」をふまえ,キャリア形成の視点から,介護労働者を対象に,以下の3点について検討することを目的にした。(1)職場の立場が「昇格」した際の「仕事の負担」「仕事の資源」「心理的ストレス反応」「ワークエンゲージメント」の変化を検討した。(2)職場の立場が「維持」している際の「仕事の負担」「仕事の資源」「ストレイン」「モチベーション」の経時的変化を検討した。(3)職場からの離職を検討する際の「仕事の負担」「仕事の資源」「ストレイン」「モチベーション」の状態を把握した。 方法について,A県内の介護支援専門員・介護福祉士を対象に,郵送法で調査票を配布し,545件の返送を得た。調査票は,(1)「職業性ストレス簡易調査票」80項目版,(2)ワークエンゲージメント測定尺度(UWES)17項目版,(3)新型コロナウイルス感染ストレスの調査票,(4)調査対象者の属性や管理職経験,離職意図を尋ねる項目等で設定した。 主な結果は以下の3つであった。(1)着任3年以内の管理職の「仕事の負担」の評価は高く,また「ワークエンゲージメント」が高い傾向にあった。(2)着任以来3年以上の管理職者は,職場環境の評価について,作業レベル資源(仕事のコントロールや適性など)の評価が高かった。(3)離職意図がある者は,管理職経験を問わず,一貫して「仕事の負担」の評価は高く,「仕事の資源」の評価は低かった。また「心理的ストレス反応」は高く,「ワークエンゲージメント」は低かった。 以上の結果をふまえると,管理職への昇格は「仕事の負担」を高める一方,「ワークエンゲージメント」も高める傾向にあるが,管理職業務が継続するとこれらの水準が低くなる可能性が示唆された。また離職意図がある状況では,職場環境を否定的に捉える可能性が示唆された。
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