研究課題/領域番号 |
20K03424
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研究機関 | 愛知工業大学 |
研究代表者 |
飯田 沙依亜 愛知工業大学, 工学部, 准教授 (70581461)
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研究分担者 |
巌佐 正智 愛知工業大学, 工学部, 准教授 (20444375)
小川 時洋 科学警察研究所, 法科学第四部, 室長 (60392263)
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研究期間 (年度) |
2021-02-01 – 2024-03-31
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キーワード | 感情 / 感情制御 |
研究実績の概要 |
現代社会において感情制御は必要不可欠なスキルの1つである。他方、感情制御がそれほど容易ではないことは経験的にも明らかだろう。特に苦手意識については、克服できれば上手くいくことがわかっていても自動的に生起してしまい、どうしようもできずに困っている人も多い。本研究では①刺激に対して特定の行動を繰り返し行うことで、刺激に対する感情を自動的に制御できることを明らかにし、更に、特定の刺激に対する感情の中でも、しっかりと定着してしまった②苦手意識の克服も可能かを検討することを目的としている。本研究を通して、感情とは直接関係ないものの、感情に確実に働きかけることが可能で、誰にとっても負担の少ない感情制御方略を提案することが可能となる。 今年度の目標は、刺激に対して特定の行動を繰り返し行うことで、刺激に対する感情を制御できることを、まずは現象として確認し、更にこの現象を実験的に検討可能とするための基本的な実験プロトコルを確立することであった。 今年度はミーティングをメールや対面で重ね、主に問題意識の共有や本研究遂行にあたっての課題を改めて確認、整理し、その対応について検討した。また、本研究は研究領域の異なる研究者による学際的な取り組みとなっているため、それぞれの強みを活かせる実験計画が検討可能となるよう、それぞれの領域における現象の捉え方、研究の進め方などについての理解も深めた。他方、実験計画の検討にとどまり、実際にデータを取るまでには至らず、当初目標としていた基本的な実験プロトコルの確立までには至らなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
本研究課題の進捗状況が大幅に遅れている理由として、今年度は研究代表者が本研究の遂行にほとんどエフォートを避けなかったことが大きい。次年度以降はこの問題については解消の目処が立っている。 新型コロナの影響で実験の実施方法についてオンラインでの実施を検討する必要が出てきたことなども実験計画の検討に予想以上の時間を要した理由の1つとしてあげられる。この点については今年度、必要な情報を収集し、実験計画にもその変更を反映させて検討を進めてきたため、次年度以降、大きく影響することはないと考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
まずは今年度検討していた実験計画を完成させ、遂行し、データを収集することが急務である。今年度、データの分析方法や本研究の課題については十分検討を進めてきたこと、オンライン実験は対面実験よりもデータ収集に必要とする時間を大幅に短縮できることなどを利用し、次年度終了時には研究の遅れを取り戻し、当初、予定していた特定の行動の反復による感情制御の効果を修飾する要因の整理が概ね終わっている状態を目指す。
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度は実験計画の検討にとどまり、データの収集にまで至らなかった。そのため、今年度執行できた予算も実験計画に必要な情報収集にかかった経費のみで、本研究における研究費の大部分を占める実験遂行や成果公開のための予算まで執行することはできなかった。次年度以降、研究の遅れを取り戻していくのにともない、当初予定されていた予算も順次執行されていくことになる。 また、実験実施方法を対面実施からオンライン実施に変更することで、データ収集に要する経費も増える。次年度以降、その増額分にも対応できるよう、今年度の支出をできる限りおさえたことも次年度使用額が大きくなった理由の1つである。
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