研究課題
強力な心理教育のインターネット教材の基本ストーリーについて、①チック症の基礎理解と治療の構成、②機能分析について学ぶ、③ハビットリバーサルの基礎理解、④チック症との付き合いの4部構成とすることを、2020年度末に決定していたので、2021年度はそれに沿って、具体的な教材の整備を進めた。スライドを用いたレクチャーの動画が教材の中心になるので、それが幅広い年齢の患者や家族にとって興味を持ちやすくかつ分かりやすいものになるように検討を重ねた。研究協力者と相談して内容をイメージしやすくなるようにイラストを作成してもらってスライドに加えたり、一方的に視聴するのではなくて自身のことと受け止められるようにワークの持ち方を工夫したりした。また、評価バッテリーの概要はすでに固まっていたが、視聴によってどれくらい知識が得られたかを確認するための項目について検討して完成させた。専門業者に委託して、何度も打ち合わせを重ねつつ動画の撮影や教材の視聴システムの構築を行ってきた。動画ができあがってからも、どれくらい視聴したかが把握できるようにするなどシステムの微調整を重ねて、2021年度末に予備調査が可能な状態となった。こうして教材の整備のめどが一定程度たつのに合わせて、予備調査に向けて研究参加者のリクルートを開始したり、本調査におけるRCTの進め方などについて東大病院臨床研究推進センターに相談をしたりして、実施準備を進めた。
3: やや遅れている
2021年度の計画では、心理教育教材の原案を完成させた上で、少人数での予備調査を行って、その結果を踏まえて微修正を加えて、本調査に備えることになっていた。それに対して、原案の作成に当初の予定よりも時間がかかってしまい、予備調査がようやく開始できる段階にたどり着いたところである。しかし、この過程において研究チーム内で丁寧に検討を重ねたり、日常臨床やトゥレット協会などにおける当事者・家族との協働活動を通じてチックとの付き合い方に関する考えを聞いたりして、教材の質の向上が図られ、予備調査で検討する重点も絞れたと思われる。
2022年度には、既にリクルート済みの研究参加者に対して予備調査を行って、その前後において既に準備してある評価バッテリーを用いて評価をすることに加えて、教材を視聴して気づいた点や改良が望ましい点などについて面接を行う。それを踏まえて教材の運用の仕方など微修正を行うことと並行して、本調査の研究参加者リクルートを進めたり、面接評価担当者にチック症状評価の訓練を行ったりなどの準備を進めて、7月から本調査を開始する。そして、年度内に十分な人数でのRCTを完了することを目指す。
心理教育教材の作成にあたって、専門業者の委託が必要と判断して、作業を重ねてきたが、当初想定したよりも、動画作成もシステム構築も時間を要して、原案の完成まで約1年を要して、2022年度初めにずれ込んだため、予算を繰り越した。
すべて 2022 2021
すべて 雑誌論文 (13件) (うち査読あり 5件、 オープンアクセス 4件) 学会発表 (9件) 図書 (1件)
Front Psychiatry
巻: - ページ: -
10.3389/fpsyt.2021.797037
日本医事新報
巻: 5100 ページ: 48-49
PLoS One
巻: 16(12) ページ: e0261560
10.1371/journal.pone.0261560
巻: 12 ページ: 767571
10.3389/fpsyt.2021.767571
Psychiatry Clin Neurosci.
巻: 75(12) ページ: 394-400
10.1111/pcn.13301
教育と医学
巻: 69(6) ページ: 468-476
今日の精神科治療ハンドブック 精神科治療学
巻: 36 ページ: 22-23
精神科
巻: 38(4) ページ: 431-437
精神医学
巻: 63(6) ページ: 889
巻: 63(6) ページ: 969-975
心理臨床学研究
巻: 39(5) ページ: 461-471
障害者歯科
巻: 42(2) ページ: 147-152
児童青年精神医学とその近接領域
巻: 62(4) ページ: 48-49