研究課題/領域番号 |
20K03436
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研究機関 | お茶の水女子大学 |
研究代表者 |
篁 倫子 お茶の水女子大学, 基幹研究院, 名誉教授 (10280570)
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研究分担者 |
平澤 恭子 東京女子医科大学, 医学部, 非常勤嘱託 (50316709)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 極低出生体重児 / 心理アセスメント / 就学前健診 / 発達障害 |
研究実績の概要 |
今年度の研究実績は以下の通りである。 1)東京女子医科大学付属病院母子総合医療センターにて出生した極低出生体重児で、明らかな神経学的後障害を持たない児に対し、小児科発達外来にて就学前6歳児健診を行った。健診は身体測定、小児神経学的診察、WISC-Ⅳおよび保護者面接から構成されている。9月以降は視知覚発達検査DTVPを併せて実施した。2)就学後調査(学校・生活アンケート、学校適応スキルプロフィール)を2022年3月末から4月初めに郵送法にて実施。対象は2013年4月~2015年3月に出生した小学2年(2年を終え3年になろうとする)の児および1年(小学1年を終えて2年になろうとする)の児のうち、住所確認ができた50名である。回答を得たのは2年生群7名、1年生群19名の計34名であり、回収率は52%となった。読み書き等の学習上に特別ニーズを抱えている可能性が示されたのは13名(50%)となり、就学後のVLBW児に学習上の困難を抱える児が一定数存在することは明らかとなった。その後、相談を希望して外来受診した4例については認知機能および学習到達度をKABC-Ⅱにて、視知覚をWAVESにてアセスメントを実施し、教育対応について保護者面談を行った。 3)心理アセスメントとして使用予定であったDTVP-3の標準化作業は進み、2023年3月を持ってデータ収集はほぼ完了した。4歳~12歳の年齢および男女それぞれ20名のデータ収集を目的に計879名の標準化データを収集した。 4)2022年10月に日本LD学会第31回大会(京都)にて成果の一部「発達障害ハイリスク児の特別な支援ニーズ‐超低出生体重児の長期追跡における就学前後の評価-」として発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
1)本研究全体を通しての遅れの最大の理由は、コロナ感染拡大の影響、並びにそれに伴う視知覚評価法として予定していた日本版DTVP3の標準化の遅れと考える。今年度については就学後調査と標準化は予定通り進められた一方、DTVP3に替わる検査の選択と実施に遅延があった。 2)健診の限られた時間内に追加の検査を実施する計画に不備もあった。また、本研究の実施場となる東京女子医科大学小児科において極低出生体重児フォロアップ体制の縮小化・脆弱化も一つの要因であった。
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今後の研究の推進方策 |
最終年度として以下の計画に基づき研究を進める。 1)6歳時健診は通常通り実施し、知能検査と共に、就学後の読み書き困難の可能性を推測するものとして視知覚検査DTVPを実施する。また、就学後調査にて学習面で特別な支援を要すると判断された児については来談を促し、つまずきについてアセスメントおよび指導・支援についての助言を行う。 2)研究全体の結果をまとめ、学会(日本新生児成育学会、日本LD学会等)および学術雑誌にて公表する。 3)本研究で採用できなかった新しいDTVP-Ⅲは今後健診で使用していき、就学前アセスメントとして、特に読み書きや発達障害との関連について検討を続けていく。 4)研究費は検査実施の人件費および学会発表諸経費として使用する。
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次年度使用額が生じた理由 |
本研究の進捗の遅れにより、研究目的である学習困難や発達障害リスクの判断における視知覚発達アセスメントの意義を検討するための十分なデータが収集できていない。よって、次年度も引き続き、研究代表者の他に就学前健診で心理アセスメントを行う研究補助者が必要とる。また、学会等での成果発表も行う。研究費はこれらの人件費と旅費に充てる。
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