研究課題/領域番号 |
20K03437
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
篠田 直子 信州大学, 学術研究院教育学系, 准教授 (00758948)
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研究分担者 |
篠田 晴男 立正大学, 心理学部, 教授 (90235549)
高橋 知音 信州大学, 学術研究院教育学系, 教授 (20291388)
森光 晃子 信州大学, 学生相談センター, 助教 (10468986)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 認知的柔軟性 / 実行機能障害 / オンライン型介入プログラム |
研究実績の概要 |
新型コロナウィルス感染が広がり、当初予定していた対面とオンラインを融合させた現在の介入プログラムの実施は困難となったため、完全オンライン型ワークショップへ変更し試行した。これまでは、ワークショップリーダーのみが遠隔で関わる形であったが、参加者もすべてオンラインで参加する形に作り直した。WEB会議システムとして、学生がオンライン授業でも使用し使い慣れているZoomを利用した。パワーポイント資料は情報共有した。参加者の中には、不安の高い学生も含まれていたので、自分の画像の提示は本人の意思に任せた。また、今回は参加者がすべてオンラインで参加する形でのワークショップが成り立つかどうかを確認することを目的としたため、コロナ禍で参加者である学生の情緒面が不安定になっていることを考慮し、負荷をできるだけかけられないよう工夫した。 ワークショップの構成:認知面(プランニング:切替)セッションと情緒面(愛着)セッションの順序を入れ替えて週に1回、計2回実施し、1週間後にフォローアップセッションを実施した。各セッションは、情報提供、個人ワーク、グループワークなどからなる各90分のプログラムであった。 実施日:令和2年6~7月。参加者:4名×2グループ。すべての参加学生は、自宅からオンラインでワークショップに参加した。特に、愛着の形成が不安定であり柔軟性の乏しいとされるASD傾向のある学生への適用を考慮して、ASD傾向のある学生をグループの中に含めた。 結果:オンライン上での単回セッションであっても、プランニングに関する気づきを促し、逸脱した個人評価はワークショップ後、一定の範囲に集約し、自己認知の修正がなされた。情緒面セッションにおける孤立感の低減が、自分の特性の気づきを受け入れに影響を与えていた。本研究の結果は、日本LD学会において発表、立正大学臨床心理学研究に研究論文としてまとめた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
新型コロナウィルスの感染が拡大し、当初予定していたワークショップの実施(一部対面)が困難になったため。
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今後の研究の推進方策 |
作詞した完全オンライン型ワークショップを修正し実施する。効果測定するために、対面型とオンライン型の2パターンを準備し実施、その効果を検討する。効果測定のための事前事後面接に関しては、対面で実施する必要があるため、感染対策を十分に行った上で実施する。
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次年度使用額が生じた理由 |
令和2年度は国際・国内学会への参加を予定していたが、新型コロナウィルス感染拡大のために中止となったため、旅費や参加費等が必要でなくなった。また、対面を想定して準備をするはずだったソフトウェアや物品については、オンライン対応に変更せねばならず、購入まで至らなかった。さらに、ワークショップの実施を予定し、参加者への謝礼や分析補助に予算を予定していたが予定していた回数は実施できなかった。 令和3年度は、完全オンライン型での実施および可能な範囲での対面での実施を予定している。その結果を国内外の学会で発表する予定である。
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