研究実績の概要 |
本研究ではアルツハイマー病,軽度認知障害,主観的認知障害,健常高齢者を対象として,エピソード記憶・意味記憶・語彙的知識に関する記憶モニタリングについて横断的・縦断的に検討する.その際,メタ記憶尺度,認知・精神機能検査,脳機能画像データとの関連についても調べる.さらに, 各被験者群において記憶方略を用いて記憶モニタリングのコントロールがどの程度可能であるのかを捉える.記憶モニタリングの特徴とコントロールの方法を把握することにより,超早期の認知症予防・介入,AD患者や介護者の認知機能障害に対する理解を深めるのに役立つ知見を得る.本研究では健忘型軽度認知障害(mild cognitive impairment,以下MCI)の記憶モニタリングの特徴について把握することを目的とする。そのために、アルツハイマー病(Alzheimer’s Disease,以下AD)、 主観的な物忘れの訴えはあるが認知機能障害を認めない主観的認知障害(subjective cognitive impairment,以下SCI)、健常高齢者を比較対象としてエピソード記憶、意味記憶・語彙的知識に関する記憶モニタリングについて横断的・縦断的に検討する。さらに、各被験者群において記憶方略を用いて記憶モニタリングのコントロールがどの程度可能であるのかを捉える。MCI、AD群については、診療で行うMMSE(Mini-mental state examination)等の検査、老年期うつ病尺度GDS(Geriatric Depression Scale)、想起・記憶モニタリング課題に影響すると考えられる課題を合わせて行う。健常被験者、SCI群についても同様の検査、課題を行い、記憶モニタリングのコントロールと他の検査・課題との関連性について被験者群間の比較検討を行う。
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