研究課題/領域番号 |
20K03441
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研究機関 | 兵庫教育大学 |
研究代表者 |
隈元 みちる 兵庫教育大学, 学校教育研究科, 准教授 (60379518)
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研究分担者 |
稲月 聡子 日本福祉大学, その他部局等, 准教授 (50839892)
工藤 昌孝 日本福祉大学, その他部局等, 准教授 (80452506)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 協働的アセスメント / フィードバック / 卒後教育 / WISC-IV / 心理アセスメント |
研究実績の概要 |
本研究の目的は,親との協働的なWISC-IVフィードバック(CFP)の卒後継続教育プログラムを作成することである。 本年度はまず,昨年度各専門職が研究協力者に対して行ったCFPについての実施者へのインタビューの分析・まとめを行った。同時にCFP実施中のビデオとインタビューについての関連について検討した。その結果,初学者に比して専門職は,数値的なデータを説明することの困難は少なく,協働の部分でも初学者に比して一度の研修でCFPをかなり円滑に実施できることが示された。一方で,時間的な制約の中で被検者や家族の日常の話を共有した上で,検査結果に結びつけることの難しさや,検査結果から特徴が見えにくい場合や受検の動機が不明確な場合のフィードバックの難しさが示唆された。また,専門用語を日常的な言葉で伝える練習およびスーパーヴィジョンや専門家同士での研鑽の機会が重要なことも指摘された。 これらを元に,専門家及び初任者・初学者がCFPを紙面からでも学ぶことを可能にするように手引きをより詳細なものへとバージョンアップした。さらに専門家及び初任者・初学者がCFPのパターンモデルや具体的な事例から実際のやりとりを学ぶための機会として『心理アセスメントを生活につなげる協働的フィードバック:ウェクスラー式知能検査を用いた手引き』を上梓した。今後は,このモデルを参考に,単発ではないシリーズ化した卒後教育プログラムを実施し,効果の検証を行う予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
感染状況による制約もありCFPの実施数は限られてしまったが,インタビューの充実によりモデル化可能な要素を取り出し,まとめることができた。
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今後の研究の推進方策 |
年次計画に従い,CFP継続教育プログラムの詳細(単発/シリーズの効果や留意点)について検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
感染症予防やその対策のため,年度後半まで対面での会議費用や旅費の使用ができなかった。研究の最終年度となる今年は,感染症の推移をみながら,研究計画を遂行するための会議や研修等の参加・開催を行っていく予定である。
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