研究課題/領域番号 |
20K03456
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
本郷 美奈子 千葉大学, 子どものこころの発達教育研究センター, 特任研究員 (00845125)
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研究分担者 |
大島 郁葉 千葉大学, 子どものこころの発達教育研究センター, 教授 (40625472)
清水 栄司 千葉大学, 大学院医学研究院, 教授 (00292699)
桑原 斉 埼玉医科大学, 医学部, 教授 (50456117)
大渓 俊幸 千葉大学, 総合安全衛生管理機構, 教授 (60456118)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 社会的カモフラージュ行動 / 自閉スペクトラム症 / CAT-Q |
研究実績の概要 |
成人の自閉スペクトラム症(Autism spectrum disorder:ASD)者は「自分は異端である」などのスティグマを持ちやすく,そのため定型発達者の社会に過剰適応する「社会的カモフラージュ行動」を取りやすい.この社会的カモフラージュ行動とは,ASD者が日常の社会的状況において,ASDとしての自分らしいふるまいを隠蔽し, 「普通の(定型発達の)人」のようにふるまう行動を指す(Lai et al.,2011).社会的カモフラージュ行動は,定型発達者のコミュニティに溶け込むための対処方略である一方で,不安やうつの発症など,メンタルヘルスに負の影響がある(Cage etal.,2019).この要因については,スティグマのあること,過剰な性役割期待を持ちやすいことなど,質的な検討はなされているものの(Hull et al.,2017),実証的な研究は乏しい.そこで、本研究では,成人のASD者の社会的カモフラージュ行動の要因について、実証的に解明する.さらに、その知見をもとに,成人のASD者に対する新たな対処方略の構築を目的とした認知行動療法を開発・施行し,その効果を検証する. 成人のASD者の社会的カモフラージュ行動を測定するべく.ASD者の社会的カモフラージュ行動尺度「Camouflaging Autistic Traits Questionnaire:CAT-Q」の日本語版の作成すべく、2020年度にデータを収集し、2021年度にデータを分析しCAT-Q日本語版の信頼性と妥当性、さらに因子構造を検証した。2022年度は、研究結果を、5月のInternational Society for Autism Research(INSAR)のAnnual Meetingにてポスター発表を行った。さらに、論文化し、現在Autism Researchに投稿中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
1回目の論文の投稿を2022年9月に行ったが、2023年2月にリジェクトの結果を受け、現在、別のジャーナルに投稿中である。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、社会的カモフラージュ行動の要因を解明すべく調査研究を行う。その知見をもとに,成人のASD者に対する新たな対処方略の構築を目的とした認知行動療法を開発・施行し,その効果を検証する.
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ感染拡大により国際学会がオンライン開催となっため、渡航費が生じなかったため、支出がおさえられた。2023年、スウェーデンでは、コロナに関する行動制限が撤廃されたことにより、Internationa Society for Autism Research (INSAR)に参加する予定である。、
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