研究課題/領域番号 |
20K03460
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研究機関 | 島根大学 |
研究代表者 |
河野 美江 島根大学, 学術研究院教育研究推進学系, 教授 (20506472)
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研究分担者 |
武田 美輪子 島根大学, 地域包括ケア教育研究センター, 特例研究員 (70750644)
執行 三佳 島根大学, 学術研究院教育研究推進学系, 特任講師 (90790379)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 性暴力被害 / 大学生 / 回復 / 支援マニュアル |
研究実績の概要 |
①被害学生の「回復」を促す支援方法を明らかにするために、2021年度は全国大学の学生相談機関で性暴力被害学生の支援経験がある9人の支援者に対しインタビュー調査を行った。計10人のインタビューの逐語録よりkhcoder-3a16e.exeを用いてデータ分析し、この結果を「性暴力被害を受けた学生の回復を促す支援について~支援者インタビューの質的分析より」としてまとめ、2022年5月に行われる日本学生相談学会第40回大会で発表した。今後、論文執筆予定である。 ②2021年5月に開催された日本学生相談学会第39回大会において「米国の性暴力被害学生支援に関する文献的考察」をオンラインで発表した。 ③大学生の性暴力予防教育に関してリーフレットを作成し、全国大学メンタルヘルス学会のHPに掲載した。https://jacmh.org/img/manner.pdf. また12月に開催された第43回全国大学メンタルヘルス学会にて「東海大学における性暴力予防教育の取り組み」の共同演者となった。 ④2021年11月22日に開催された第59回全国学生相談研修会にて、全国の大学で学生支援に関わるカウンセラーや教員を対象に「大学における性暴力への対応~予防から被害者支援まで」の研修会講師を務めた。また2022年2月19日に開催された奈良県大学人権教育研究協議会で、大学で学生支援に関わる教職員57名に「大学における性暴力への対応~予防から被害者支援まで」の講演を行った。 ⑤2022年4月に遠見書房から発行した「学生相談カウンセラーと考えるキャンパスの危機管理」に「学生の性被害への対応」を執筆した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルス感染症のため、昨年度行うはずだった学生相談担当者とのインタビューが今年度にずれこんだため、今年度実施予定のアンケート調査の開始がやや遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
今年度は昨年行ったインタビューの結果を、5月に行われる日本学生相談学会第40回大会で「性暴力被害を受けた学生の回復を促す支援について~支援者インタビューの質的分析より」として発表し、論文執筆予定である。またインタビューより、学内の加害者からの被害についての対応が困難であることが明らかになったので、全国の大学で学生支援に携わる支援者を対象に質問紙調査を行い、効果的な支援方法を明らかにする。さらにこれらより性暴力被害者の「回復」を促す支援モデルを提起し、支援マニュアルを作成し配布するとともにWebで公開する。 7月には九州地区保健管理協議会で「性暴力被害を受けた学生の支援」についての研修会講師を行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染症のために、県外で開催される学会、研修会、インタビュー調査が全くできなかったため、助成金の次年度使用額が生じた。オンライン学会や研修会に参加したり、オンラインでのインタビュー調査に切り替えることにより、研究自体は問題なく実施できた。次年度使用額に関しては、大学の支援者へのアンケート調査、ホームページ作成、マニュアル作成・配布に使用する予定である。
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