研究課題/領域番号 |
20K03464
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研究機関 | 埼玉県立大学 |
研究代表者 |
中澤 良子 (大場良子) 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 准教授 (80381432)
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研究分担者 |
羽鳥 健司 埼玉学園大学, 人間学部, 教授 (10458698)
飯岡 由紀子 埼玉県立大学, 大学院保健医療福祉学研究科, 教授 (40275318)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 婦人科がん体験者 / 女性性の危機 / 再適応 |
研究実績の概要 |
本研究では、AYA世代婦人科がん体験者が知覚する女性性の危機意識の構造と女性性の危機を低減するための肯定的心理資源(本来感、自尊感情、楽観性、希望、ポジティブ感情など)および、支持要因(人的環境的資源など)を解明し、再適応を促す因果モデルを検討することである。さらに、実証研究で得られた因果モデルに基づいて、心理社会的支援プログラムを検討する。計画当初の目的は4点であった。1.女性性の概念の明確化、2.AYA世代婦人科がん体験者の女性性の危機意識構造と、女性性の危機を低減するためのポジティブ資源と支持要因の解明、3.AYA世代婦人科がん体験者の危機意識尺度の開発と再適応を促す因果モデルの検証、4.心理社会的プログラム案の作成と試行、評価である。 2020年~2021年度の2年間計画において、女性性の概念分析と婦人科がん体験者への質的調査を行う予定であったが、女性性の概念分析を行うにあたり対象文献数が少ない状況であったため、婦人がん体験者への質的調査のみを行うことに計画を修正した。 2021年度は、婦人科がん体験者17名を対象に半構造化面接を実施し、M-GTAの手法を用いて分析した。現在、ライフステージにおける課題(発達的課題)から婦人科がん体験者固有の女性性の危機やそのプロセスと再適応を支える要因を見出すため、リサーチクエスチョンに従い、対象者の背景に応じて5つのステップから、概念を抽出し整理した。 2022年度は,2021年度に実施した質的調査の分析を継続したほか,AYA世代婦人科がん体験者の危機意識尺度について,信頼性と妥当性の検討および,再適応を促す因果モデルの検証を行うため,婦人科がん体験者を対象に量的調査を実施した。現在,調査票を回収中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
質的調査の分析に多くの時間を要し,量的調査の準備や実施に影響がでている。そのため,最終年度に予定している心理社会的支援プログラムを試行・評価する計画に遅れが生じている。
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今後の研究の推進方策 |
最終年度にあたる2023年度では,量的調査の集計,分析を実施する。その結果を受けて,心理社会的支援プログラム(案)を構成し,その一部について実施,評価を予定する。
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次年度使用額が生じた理由 |
2023年度は、量的調査のデータ入力費,アンケート返送に関わる受取人払いの費用,アンケートおよびプログラム参加への謝金、アルバイト雇用に伴う費用、物品等の購入を予定している。
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