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2021 年度 実施状況報告書

クライエントの行動変容に有効な共感的態度の態様の解明

研究課題

研究課題/領域番号 20K03465
研究機関群馬大学

研究代表者

川道 拓東  群馬大学, 大学院医学系研究科, 研究員 (30596391)

研究分担者 濱野 友希  早稲田大学, 理工学術院総合研究所(理工学研究所), 客員次席研究員 (00823254)
菅原 翔  公益財団法人東京都医学総合研究所, 認知症・高次脳機能研究分野, 主任研究員 (80723428)
研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワードfMRI / 社会的交流 / カウンセリング / 意見変容
研究実績の概要

令和3年度は、令和2年度に構築した、ペアが相互に自己意見を表出する課題を用いて、dual fMRIで脳活動を計測した。
実験においては、同性の初対面のペアを実験参加者とした(女性12ペア、男性8ペア。平均21.85±0.40歳、ペアの年齢差2.90±0.40歳)。相互に自己意見を表出する課題に参加することを通じて、事前に聴取した意見と比較して、自らの意見をペアの相手の意見に近づけること(意見変容)が起こることを確認した。さらには、意見の変容を通じて、ペア同士の親密度が高まることも確認した。さらには、同実験で得たfMRIデータについてもpreliminary解析を実施した。解析の結果、二者の意見が異なる際には、両側のinsula(peak = [-42, 22, 12], k = 1212; peak = [50, 38, 8], k = 948)およびdorsal Anterior cingulate cortex(peak = [-6, 44, 22], k = 1120)というpain matrixの活動を認めた。これは、意見の違いが発生した場合にneural alert systemであるpain matrixの活動が見られていることを意味する。この活動は、社会生物であるヒトができれば避けたいと思っている他者との意見の相違を痛みと捉えていることを示唆する。他者との意見の相違に起因する社会的痛みが動因となって自らの意見を相手に近づける形での意見の変容につながっている可能性が考えられる。すなわち、本実験により、カウンセリング場面などで意見変容を起こしうる動機付けに関する知見の一端を明らかにすることができた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

令和2-3年度は、社会的情勢の変化により、実験参加者の募集が困難となる時期があった。しかしながら、令和2年度に先行して実験課題のブラッシュアップを行い、令和3年度に実験参加者の募集が可能となる時期に集中的に実験を遂行することで、当初予定した実験を予定通り遂行することができた。

今後の研究の推進方策

令和4年度は、意見変容や親密度上昇を表象する神経基盤を明らかにするための解析を加速することで、カウンセリング分野への知見のフィードバックを図る。必要に応じて追加実験を実施する。

次年度使用額が生じた理由

社会情勢の変化により、学会参加が難しい時期があったこと、および、実験実施時期に制約があ理、今年度後半に実験を実施したことに起因する。次年度は解析・論文化を加速する。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2021

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Enhanced structural connectivity within the motor loop in professional boxers prior to a match2021

    • 著者名/発表者名
      Yuichi Ogino, Hiroaki Kawamichi, Daisuke Takizawa, Sho K. Sugawara, Yuki H. Hamano, Masaki Fukunaga, Keiko Toyoda, Yusuke Watanabe, Osamu Abe, Norihiro Sadato, Shigeru Saito & Shigeru Furui
    • 雑誌名

      Scientific Reports

      巻: 11(9015) ページ: 1-12

    • DOI

      10.1038/s41598-021-88368-4

    • 査読あり
  • [学会発表] 鎮痛行動の動因の神経基盤:不快反応減弱仮説の検証2021

    • 著者名/発表者名
      川道拓東、荻野祐一、齋藤繁
    • 学会等名
      日本麻酔学会 関東甲信越・東京支部第61回合同学術集会

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公開日: 2022-12-28  

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