研究課題
本研究は、学生相談カウンセラー(Co)が心理面接を通じた学生クライエント(Cl)の変化、すなわち心理面接の成果を評価するための学生相談面接評価尺度(College Counseling Assessment Scale:CCAS)の開発を目的としたものである。アンケート調査により、Coが面接効果として、主訴・症状の変化、学生生活の変化、学生個人の変化、Cl-Co関係の変化を評価していること、また、心理的成長についても個人の成長、社会適応、面接場面での変化を評価していることが明らかとなった。加えて、Coの視点が詳述された事例研究論文を対象に質的メタ分析を行い、Coは学生生活の適応課題を扱いつつ、臨床像や成育歴、Cl-Co関係を踏まえて心理面の理解を深め、面接方針を立てていることを見出した。この際、Clの変化やその要因についても言及されて、変化は行動の変化(学修、就職・就労、家族関係、対人関係)と内面的変化(来談意欲、臨床像、語りの変化、Cl-Co関係)に大別された。健康状態・疾患・障害は両領域にまたがるものとして捉えられた。変化を促す要因としては、Cl自身の内的資源、Coの働きかけ、言語化・語りの効果、Cl-Co関係の変容、関係者との連携、外部資源や支援ツールの活用が抽出された。これらの所見を基に、学生自身が自己評価するための質問紙を作成し、学修、就職・進路、対人関係、家族関係、健康状態の5因子から成る「大学生活適応尺度」と、自己理解、自己肯定感、主体性、視野の広がり、対処能力、情緒の統制の6因子から成る「内面的変化尺度」を開発、構成概念妥当性を確認した。さらに、CCASとしてカウンセラー用評価票も作成し、学生とCoの双方が心理面接での変化を評価できる質問紙を試作した。
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