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2020 年度 実施状況報告書

社会認知機能の個人差を生み出す基礎的な心的機能の解明

研究課題

研究課題/領域番号 20K03478
研究機関国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター

研究代表者

魚野 翔太  国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター, 精神保健研究所 知的・発達障害研究部, 室長 (10766398)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワード自閉スペクトラム症 / 社会的認知 / 時間分解能 / 表情認識 / 共同注意
研究実績の概要

本研究は、感覚処理の時間分解能の個人差が定型発達者と社会認知機能の障害をもつ自閉スペクトラム症や統合失調症の社会認知機能の個人差を説明できるか検討するものである。本年度は、定型発達の大学生を対象として、視覚刺激呈示タイミングの時間分解能と動画表情の知覚の関係について検討した。視覚刺激の提示タイミングの時間分解能はさまざまな時間間隔で2つの光点刺激を呈示し、参加者が2点を区別できない時間幅を算出した。動画表情の知覚を調べるため、動画及び静止画表情を呈示し、参加者に見た表情を作成してもらった。実際に呈示された表情よりもどの程度表情の強度が増幅されたかを算出した。時間分解能が高い人では直前のより小さな表情変化の情報が変化の予測に用いられるため、増幅の程度は小さくなると予想される。20名程度からデータを取得しているが、新型コロナ感染症のため対面実験の実施が難しくなり、現在実験が再開できるのを待っている。また、視聴覚刺激の呈示タイミングの時間分解能と視聴覚情報を含む相互作用場面の感情を認識する能力との関連を検討している。視聴覚刺激の時間分解能が高い人ほど、視聴覚統合が起きにくく、相互作用場面の感情認識能力が低くなると予想される。30名程度からデータを取得しているが、こちらの同様に実験実施機関での実験再開の許可が出るのを待っている状況である。次年度は定型発達者で解析に必要な十分な参加者からデータを取得することに加え、これらの研究の知見をもとに臨床群での実験を開始する予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

新型コロナ感染症の蔓延および自身と共同研究者の異動によって実験の実施が難しく、十分なデータを取得できなかった。また、厳密な制御とノイズのない環境が必要な実験を含むため、オンライン実験への切り替えが困難であった。

今後の研究の推進方策

所属機関異動後も対面実験の実施が難しかったが、年度末より感染症対策を行いながら一部の実験の実施を再開することができた。また、新たに定型発達者および神経発達症を持つ小児・成人の多機関でのリクルート体制を整えつつあり、本格的に実験を再開できる時期にはスムーズにデータを取得できる環境を構築できている予定である。本年度は、感染症対策を行いながら、実験実施を加速したいと考えている。

次年度使用額が生じた理由

新型コロナ感染症のため、実験実施および出張旅費の使用ができなかったことが次年度使用額が生じた理由である。次年度使用額分は実験参加者への謝金、多機関での実験実施に伴う出張費に用いる。

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公開日: 2021-12-27  

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