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2022 年度 実施状況報告書

社会認知機能の個人差を生み出す基礎的な心的機能の解明

研究課題

研究課題/領域番号 20K03478
研究機関国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター

研究代表者

魚野 翔太  国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター, 精神保健研究所 知的・発達障害研究部, 室長 (10766398)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2024-03-31
キーワード感覚処理 / 社会認知 / 時間分解能 / 自閉スペクトラム症
研究実績の概要

本研究は、感覚処理の時間分解能の個人差が定型発達者と社会認知機能の障害をもつ自閉スペクトラム症(ASD)や統合失調症の社会認知機能の個人差を説明できるか検討するものである。
第一に、定型発達の大学生を対象に、視聴覚刺激の時間分解能を反映する視聴覚統合能力と視聴覚情報を含む対人相互作用場面の感情を認識する能力との関連を検討した。実施していた実験で必要なサンプルサイズに達したため、現在解析を行って結果をまとめている。この課題では、視聴覚統合能力の高い人ほど対人相互作用場面での感情認識能力が高いことを予測しており、続けて視聴覚統合や感情認識の障害を示す自閉スペクトラム症群で同様の関係がみられるか検討する。
第二に、前年度に実施した時間を通じた統合の要素を含む動画表情を用いて視線方向への注意シフトの促進が生じるか調べた研究についての結果をまとめ、国際誌に発表した。この研究では、79名の定型発達者からデータを取得して解析を行った。、視線手掛かりの注意シフトへの効果は頑健にみられたが、先行研究の結果に反して情動表情による促進効果がみられず、論文では実験パラダイムの様々なパラメータが与える影響について考察した、また、知的機能、自閉症特性、その他の情動的な特徴の個人差との関連も見られなかった。そのため、使用する課題について再度検討している。この課題についてはASDやADHDのある人を対象とした実験も行った。臨床群と定型発達群を比較したところ、視線手掛かりの注意シフトへの影響そのものの大きさに違いがみられたため、その結果をまとめて国際誌に投稿した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

新型コロナ感染症の蔓延によって特に臨床群の参加者のリクルートが難しく、前年度までに十分なデータを取得できなかったことから、その後の作業が全体的に遅れている。

今後の研究の推進方策

定型発達者および神経発達症を持つ小児・成人の多機関でのデータを取得が進んだことで成果がまとまりつつあるため、今後の研究の進捗は加速すると考えられる。

次年度使用額が生じた理由

次年度の実験実施、学会発表、論文校閲、オープンアクセス誌の出版費用に使用するため。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2022

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] No Influence of Emotional Faces or Autistic Traits on Gaze-Cueing in General Population2022

    • 著者名/発表者名
      Uono Shota、Egashira Yuka、Hayashi Sayuri、Takada Miki、Ukezono Masatoshi、Okada Takashi
    • 雑誌名

      Frontiers in Psychology

      巻: 13 ページ: 864116

    • DOI

      10.3389/fpsyg.2022.864116

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 視線手がかり効果は自閉症特性の個人差を反映するか2022

    • 著者名/発表者名
      魚野翔太・江頭優佳・林小百合・高田美希・請園正敏・岡田俊
    • 学会等名
      日本心理学会第86回大会
  • [学会発表] 注意欠如・多動症における視線方向への注意シフトの障害2022

    • 著者名/発表者名
      魚野翔太・江頭優佳・林小百合・高田美希・請園正敏・岡田俊
    • 学会等名
      日本児童青年精神医学会第63回総会

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公開日: 2023-12-25  

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