研究実績の概要 |
令和2年度は本研究の初年度だが,新型コロナウイルス感染症流行の影響により,当初の研究計画をいち早く見直し,研究の手法と内容も必要に応じて修正・調整を行った。その結果,感染症流行の状況下においても研究が順調に実施でき,計画以上の進展が実現できた。 具体的には,当初計画していた実験室実験とフィールド実験の並行に関して,海外でのフィールド実験は渡航困難により延期とし,日本国内での実験室実験とフィールド調査に集中し,さらにオンライン実験という感染症流行の影響が比較的に低い研究手法を取り入れた。実験室実験は感染拡大前の令和2年4月~5月中に実施し,その成果をまとめ,12月に査読付き論文として公表した (Qian & Mitsudo, 2020)。日本国内のフィールド調査は,感染状況が比較的に収まった令和2年10月末~11月初のおよそ3週間にわたって実施し,東京以西の日本各地で一次データの収集を行った。オンライン実験を利用した研究は令和2年度中に取りまとめ,査読付き論文として公表した (Qian & Yamada, 2020)。 また,新型コロナウイルス感染症流行という危機的状況について,心理学の立場から我々の研究活動はどのように役に立つかを考え,令和2年度は感染症流行における人間の心理・行動研究に精力的に取り組み,3編の査読付き論文を公表した (Qian & Yahara, 2020; Yonemitsu et al., 2020; Qian, Javadi & Hiramatsu, 2020)。コロナ禍によって研究活動が制限される中,科研費の有効利用を念頭におき,社会に貢献できる研究を実施することができた。
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