研究課題/領域番号 |
20K03487
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研究機関 | 大阪樟蔭女子大学 |
研究代表者 |
松下 戦具 大阪樟蔭女子大学, 学芸学部, 准教授 (00528367)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | アニマシー / 人工皮膚 |
研究実績の概要 |
当該年度の主要な実績は、人工皮膚に動的信号を付与することで「生き物らしさ」の知覚を増強できる可能性を示した点である。研究ではまず、シリコンで人工皮膚が作成され、写真が撮影された。次にその写真に明滅あるいは移動運動が付与された動画も作成された。実験では、運動情報の無い動画(実質静止画)と運動情報のある動画とが提示され、参加者は、より「生き物らしい」と知覚されるほうを選択した。結果、明滅条件においても、移動運動条件においても、ある程度の運動情報が含まれた刺激のほうがより「生き物らしい」と知覚されていた。つまり、運動条件は人工皮膚の生き物らしさ知覚を増やす働きをしていた。しかしながら、参加者に、その写真の皮膚が本物か人工かの真贋判定をさせたところ、静止画で71%であった正答率は60%台になる程度であり、チャンスレベル(50%)までは下がらなかった。つまり、「本物らしさ」の知覚への影響はそれほど強くはなかった。これらの成果は国内学会で発表され議論された。 当該年度には次に、実際の肌が持つ情報のうち、どのような情報(特に運動成分)が強く影響しているかが改めて検討された。そのためまず、統制された光源下で人間の肌が撮影され、その動画の情報(テクスチャ、運動、明滅など)が様々に操作された刺激が作成された。それにより、どのような情報がもっとも肌らしさや生き物らしさに影響しているかが検討された。この検討は現在も続けられており、新たな知見が明らかになりつつある段階である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
前の年度には明確だったコロナによる遅れをだいぶ回復しつつある。研究の進行は必ずしも完全とは言えないが(国外出張ができないなど)、許容の範囲内である。
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今後の研究の推進方策 |
基本的には、研究計画にのっとり進める。これまでは動画や写真を使用した研究が主であったが、今後は実物(人工皮膚等)を観察する実験を進めてゆく。
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度使用額が生じた理由は、感染症(コロナ)の流行により学会への参加を見送ったり、参加したものもオンライン化されていたためである。特に国際学会への参加が中止になると1回につき数十万円程度の誤差が生じる。 来年度以降も国際的な移動が難しい場合は、実験用に照明設備を充実させたり、オープンアクセスジャーナルへの積極的な投稿をすることで、次年度使用の研究費を有効に利用したい。
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