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2023 年度 実施状況報告書

場面の視覚的理解における自然画像の符号化・保持・統合プロセスの解明

研究課題

研究課題/領域番号 20K03492
研究機関山形大学

研究代表者

大杉 尚之  山形大学, 人文社会科学部, 准教授 (90790973)

研究分担者 長谷川 国大  国立研究開発法人産業技術総合研究所, 情報・人間工学領域, 研究員 (10741837)
研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2025-03-31
キーワード視覚的短期記憶 / 情景場面理解 / 概念的短期記憶
研究実績の概要

人間の視覚システムは、視野の中心付近でしか詳細な情報を取り込めない。そのため,眼を動かして視点を移動させ,その度に得られる断片的な情報を見て (符号化),覚えて (保持),これらを統合することで場面全体を理解していると考えられる。本年度は,昨年度に実施した断片的な場面情報の保持の時間的特性の再検討(研究2)について成果をまとめ,国内の学会で発表を行った。また,本研究に関連する視覚探索の研究をVision Research誌に投稿し,アクセプトされた。
さらに,学習時の画像呈示時間と再認までの遅延時間の両方を系統的に変化させた実験を行った。具体的には,単一の場面内の視覚断片情報を連続的に呈示し,再認までの遅延時間を操作することで,断片情報の記憶特性を検討した。場面画像を連続的に呈示し(呈示シーケンス),一定の遅延時間後に画像を1枚ずつ画面上に呈示し(再認シーケンス),既呈示画像か未呈示画像かの判断を行った。その結果,学習時の画像呈示時間が長い場合には,同一試行内で再認までの時間を遅延させても成績はほとんど落ちなかったが,呈示時間が短い場合は5秒以内に急速に再認成績が低下することを発見した。また,呈示シーケンスの画像の一部を再認シーケンスで呈示せず,別ブロックで事後再認を行わせた場合には,学習時の画像呈示時間が短い場合も長い場合もチャンスレベル以上の保持成績が維持された(昨年度の時点ではチャンスレベルまで成績が低下していたが,実験プログラム内にミスがあったため,今年度の結果が正しい)。この結果から,単一の場面内の視覚断片情報の記憶は,時間経過とともに急速に減衰する成分と,視覚的長期記憶として比較的安定して保持される成分があると考えられる。

現在までの達成度
現在までの達成度

4: 遅れている

理由

昨年度(3年目)にオンラインのブラウザ環境で実施した実験の一部にプログラムのエラーが見つかり,また技術的な問題で参加者のデータがサーバーに保存されないトラブルが発生したことから,「断片的な場面情報の保持の時間的特性の再検討(研究2)」を再度やり直した。その上で,いくつかの変数を操作した追加実験を新たに行ったことから,研究3への対応が期限内に終了しなかった。

今後の研究の推進方策

2年目の計画までを終了できたことから,次年度は3年目に予定していた研究計画を中心にオンライン実験を実施し,研究成果の公表も進めていく予定である。

次年度使用額が生じた理由

新型コロナウィルスによる感染拡大を防ぐため,オンライン実験に切り替えた他,1年目と2年目に対面での学会発表の参加や研究相談を行わなかったため。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2023

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Attentional shift to the newer object in the successive and simultaneous distractors previewing search2023

    • 著者名/発表者名
      Osugi Takayuki
    • 雑誌名

      Vision Research

      巻: 209 ページ: 108262~108262

    • DOI

      10.1016/j.visres.2023.108262

    • 査読あり
  • [学会発表] 断片的な場面情報の保持に遅延時間が及ぼす影響2023

    • 著者名/発表者名
      大杉尚之・長谷川国大・小澤良
    • 学会等名
      日本認知心理学会

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公開日: 2024-12-25  

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