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2023 年度 実施状況報告書

相互「強化」の強化機能

研究課題

研究課題/領域番号 20K03498
研究機関大阪教育大学

研究代表者

大河内 浩人  大阪教育大学, 教育学部, 教授 (80223775)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2025-03-31
キーワード相互強化 / 強化機能 / 交代強化 / 反応-強化子依存性 / 反応-強化子近接性 / ハト
研究実績の概要

一方の個体の反応がもう一方の個体に強化子をもたらすという関係が2個体間で相互に成立する随伴性を相互強化という。令和4年度に引き続き、令和5年度は、この相互強化にどのような条件を加えれば反応が維持されるようになるかを検討した。6羽のハトを2羽1組(ペア)にし、1つのペアの1羽を1つの実験箱、もう1羽をもう1つの実験箱に入れて実験を行った。連続強化で安定したキイつつき反応が生じた後、相互強化に、反応依存強化、即時強化、交代強化の3つの随伴性を加えた条件に移行した。具体的には、(a) 毎セッション、どちらの個体が先に強化子が与えられるかをランダムに決定した。(b) 最初に強化子が与えられることになったハト(仮にこれをハトAと呼ぶ)は、もう一方のハト(ハトB)がキイを1回以上つついた後にキイを1回つついたら自分(ハトA)にエサ(強化子)が呈示された。(c) 次は、ハトAが反応した後にハトBが反応すれば、ハトBは強化された。(d) ハトAが40強化を得る(その時点でハトBは39強化を得ている)か、1時間が経過するまで、(b)と(c)を交互に繰り返した。この条件(反応依存即時交代相互強化条件)で反応が維持されることが確認された後、反応依存強化、即時強化、交代強化の3つの随伴性を取り除き、相互強化随伴性だけを呈示したところ(相互強化条件)、反応率が減少した。このように、相互強化条件よりも反応依存即時交代相互強化条件の方が反応率が高いことは、これら2つの条件を再び呈示しても再現された。この結果は、相互強化に反応依存強化、即時強化、交代強化の3つの随伴性を加えると、反応が維持されたことを示唆している。加えて、相互強化条件から反応依存即時交代相互強化条件にかけての反応率の変化から、後者の条件が反応率を維持するだけでなく増加させる可能性があることもうかがわれた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

予定していた実験を行った。反応が維持されたという結果は、予想通りであった。反応依存即時交代相互強化が反応率を高める可能性もあることに気づくことができたのは、予想外の収穫であった。

今後の研究の推進方策

連続強化で安定したキイつつき反応が生じた後、消去に移行し、反応率がほぼゼロになるまで減少したのち、反応依存即時交代相互強化を呈示することで、反応依存即時交代相互強化が反応率を高めるかどうかを検討する。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2023

すべて 雑誌論文 (4件) (うち国際共著 1件、 査読あり 4件)

  • [雑誌論文] Real, potentially real, and hypothetical monetary rewards in probability discounting2023

    • 著者名/発表者名
      Okouchi Hiroto
    • 雑誌名

      Journal of the Experimental Analysis of Behavior

      巻: 120 ページ: 406~415

    • DOI

      10.1002/jeab.882

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Stimulus control of a social operant2023

    • 著者名/発表者名
      Lattal Kennon A.、Okouchi Hiroto
    • 雑誌名

      Journal of the Experimental Analysis of Behavior

      巻: 120 ページ: 330~343

    • DOI

      10.1002/jeab.878

    • 査読あり / 国際共著
  • [雑誌論文] Effects of Successively Transmitted Verbal Descriptions on a Two-Response Sequence2023

    • 著者名/発表者名
      Okouchi Hiroto
    • 雑誌名

      The Psychological Record

      巻: 73 ページ: 513~523

    • DOI

      10.1007/s40732-023-00561-1

    • 査読あり
  • [雑誌論文] An Irreversible Effect of Response Cost on Human Fixed-Interval Responding2023

    • 著者名/発表者名
      Okouchi Hiroto
    • 雑誌名

      The Psychological Record

      巻: 74 ページ: 45~58

    • DOI

      10.1007/s40732-023-00574-w

    • 査読あり

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公開日: 2024-12-25  

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