研究課題/領域番号 |
20K03505
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
島倉 裕樹 東北大学, 情報科学研究科, 准教授 (90399791)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 頂点作用素代数 / 正則頂点作用素代数 / リー代数 / 格子頂点作用素代数 / 自己同型群 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、中心電荷24の正則頂点作用素代数の統一的な構成を行い、その応用として、これら頂点作用素代数の自己同型群を決定することである。
昨年度に投稿した Lam 氏との共著論文に関して、グルー符号の自己同型群の比較を追加し、議論の精密化を行った。その結果、この論文が国際数理物理専門誌 Communications in Mathematical Physics に採択された。これにより、本研究の主目的は達成された。また、昨年度に投稿した永友氏、境氏、Jiao 氏との共著論文の証明の簡略化や議論の精密化を行い、得られた結果の改良を行った。その結果、この論文が国際数学専門誌 Journal of Algebra に掲載された。
本研究の中で得た疑問である「一般の位数の自己同型に関して、格子頂点作用素代数の軌道体がいつ例外的な自己同型群を持つか」について Lam 氏と共同研究を行うこととした。先行研究から、リーチ格子の coinvariant 格子が候補となることがわかっており, いくつかの具体例に関して例外的な自己同型を持つかどうかの判別を行った。特に、自己同型の位数が合成数の場合は素数に分解し、順々に拡大していくことで、解決できそうな感触を得ることができた。また、例外的な自己同型を持つ場合に、偶格子が拡張された構成法 B で得られるだろう、と予想をたて、その検証を行っている。そのために、このような格子の特徴づけが必要になるが、素数の場合の議論が拡張できない部分があり、今後の検討課題としている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究の目的である中心電荷24の正則頂点作用素代数の統一的な構成と自己同型群の決定が完成し、成果を公表することができた。
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今後の研究の推進方策 |
研究目的は概ね達成できたため、研究中に見出した関連する問題に取り組む。具体的には格子頂点作用素代数の軌道体が例外的な自己同型を持つための必要十分 条件を見出す。特に、リーチ格子の部分との関係について考察する。
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度の前半の研究打ち合わせ・研究会参加等の出張予定が全てキャンセルされたため。 次年度の研究打合せ・研究会参加への出張旅費として使う。
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