研究課題
本研究の目的は、中心電荷24の正則頂点作用素代数の統一的な構成を行い、その応用として、これら頂点作用素代数の自己同型群を決定することである。昨年度までの研究で概ね目的は達成されたため、本年度は本研究から派生的に得られた研究テーマである「一般の位数の自己同型に対して、格子頂点作用素代数の軌道体がいつ例外的な自己同型を持つか」を解決すべく研究を行った。素数位数の場合かつ格子頂点作用素代数の場合に、格子が構成法 B で得られる、または格子がリーチ格子の coinvariant 格子と同型の場合にのみ、軌道体が例外的な自己同型を持つことの証明の議論の精密化を Lam 氏とともに行った。また、構成法 B で得られる格子に付随する頂点作用素代数の研究を行い、軌道体が例外的な自己同型群を持つことを証明している。これらの結果に関する Lam 氏との国際共著論文が国際数学専門誌 Journal of Pure and Applied Algebra から出版された。次に、格子頂点作用素代数の場合に、合成数の位数の自己同型による軌道体を考えた。この自己同型を素数位数の自己同型に分解し、固定点を個別に考えていくことで、ある程度は議論が進むことを確認した。また、自己同型のべき乗の固定点が例外的な自己同型を持つかどうかを考察することで、格子の可能性を絞り込む方向で研究を進めた。特に、素数位数の場合と同様に、格子が構成法 B で得られるか格子がリーチ格子の部分格子と同型の場合にのみ、例外的な自己同型が現れる事を証明する方向で研究を行っている。これらの研究も Lam 氏と国際共同研究を行っている。
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)
Journal of Pure and Applied Algebra
巻: 228 ページ: 107454~107454
10.1016/j.jpaa.2023.107454