研究課題/領域番号 |
20K03525
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研究機関 | 関西学院大学 |
研究代表者 |
宮西 正宜 関西学院大学, 特定プロジェクト研究センター, 客員研究員 (80025311)
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研究分担者 |
増田 佳代 関西学院大学, 理学部, 教授 (40280416)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 多項式環 / 正規部分環 / 加法群 / 幾何学的商多様体 / ジャコビアン予想 / 自己同型群 |
研究実績の概要 |
多項式環とアフィン空間の関連において、3変数多項式環部分環で3変数の1つxを含む、正則または正規な部分環の分類を行った。特に、正則な場合は部分環は多項式環になることを示した。また、2変数多項式環の不分岐自己準同型写像が偶数位数の有限自己同型群と同変な場合には、写像は自己同型写像になるということを示した。すなわち、同変ジャコビアン予想が成立する。さらに加法群が正規なアフィン整域に作用しているとき、幾何学的商多様体が存在するための必要十分条件を与えた。以上の3つの結果は印刷体または0nlineで刊行されている。アフィン代数幾何学に関する書籍をWorld Scientific社から刊行した。執筆には1年を要したが、課題研究に関する既知の結果で改善を要する点や不足する点を見出すのに役立った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
Affine algebraic geometry: geometry of polynomial ringsという440頁に及ぶ書籍を執筆することによって、これまで見過ごされてきた点、いまだ十分な考察がされていない部分、更には、新しい視点に対するヒントが得られたと思っている。2024年3月に刊行した2論文はそのような背景を持っている。2023年にはジャコビアン予想に関する肯定的部分結果 Equivariant Jacobian conjecture in dimension two, Transformation Groups 28 (2023), no. 2, 951-971を刊行した。これはアフィン平面の不分岐自己準同型写像がアフィン平面の偶数位数の有限自己同型群と交換可能ならば、自己同型写像になることを証明したものである。この方向は更なる肯定的結果につながると期待している。 課題研究において、複素数体上の結果を視野に入れているが、どうしても正標数の代数幾何学が必要になっている。小島秀雄(新潟大)及び伊藤浩行(東京理科大)と協力して、新しいアプローチを求めるつもりである。 分担者の増田佳代は、加法群の作用に関して順調に成果を上げている。
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今後の研究の推進方策 |
上記の現在までの進捗状況欄に記述したが、正標数のアフィン代数幾何学または正標数の対数的代数幾何学の知識が必要になっている。たとえば、位数2の自己同型写像を持つ場合は、標数0または標数が2でないならば二重被覆の理論が使えるが、正標数2の場合はArtin-Schreier被覆を考えなければならない。そのような被覆の幾何学はまだ未発達の状況である。低次数のdel Pezzo曲面はGeiser involutionやBertini involutionを持つが、標数2の場合に考えることは、I. Dolgachev達が既に手を付けている。del Pezzo曲面の代わりに(V,D)というdel Pezzo pairやweak del Pezzo pairの場合に、現在、手を出している。 多分、対数的代数幾何学は分野の主流となるように感じられる。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍で予定していた国際研究集会がキャンセルされて参加できなかった。2024年には大学フランスのDijion大学にAdrien Dubouloz教授を訪問してJacobian研究予想に関する研究討議を行う予定にしている。
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