研究課題/領域番号 |
20K03527
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
宗政 昭弘 東北大学, 情報科学研究科, 教授 (50219862)
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研究分担者 |
須田 庄 防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工学群), 総合教育学群, 准教授 (30710206)
野崎 寛 愛知教育大学, 教育学部, 准教授 (80632778)
生田 卓也 神戸学院大学, 法学部, 教授 (70271111)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 有限群 / アソシエーション・スキーム / 指標表 / 固有値 / グラフ / アダマール行列 |
研究実績の概要 |
アソシエーション・スキームの隣接代数に属する複素アダマール行列については,これまで多くの研究を行ってきたが,複素アダマール行列のコアがアソシエーション・スキームの隣接代数に属しているようなものについて,指標表の理論を用いて研究を進めた。このような構成法は,コンファレンス・グラフの隣接行列から得られるコンファレンス行列の構成にヒントを得て,Szollosi 氏が学位論文において複素アダマール行列の場合に一般化している。本研究では研究代表者と研究分担者である生田氏が協力して一般のクラス2の対称アソシエーション・スキーム,つまり強正則グラフに対して,複素アダマール行列のコアがその隣接代数に含まれるようなものを完全に分類した。この分類のためには,多項式の零点の個数と評価を精密に行う必要があり,個数の評価にはスツルムの定理を用いた。この研究成果は 2020年に研究代表者と研究分担者である生田氏の共著論文として発表した。また,研究代表者は,現在進行中で論文はまだ執筆中である研究について,国内会議 JCCA およびロシア主催の国際会議(いずれもオンライン)で発表を行った。また,研究分担者の野崎氏はユークリッド空間内の有限部分集合で距離の種類に制限をつけた上での極大なものの分類に取り組んできた。距離の種類が1のときは,正単体のことであるが,正単体にさらに点を付け加えて得られる,距離の種類が2である極大な集合の分類を行った。この研究成果は滋賀大学の篠原氏との共著論文として発表した。コヒアラント代数の既約分解のデザイン理論への応用は独自に進めているが,研究成果の発表には至っていない。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究代表者と研究分担者が直接会って研究打ち合わせをすることができないため。
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今後の研究の推進方策 |
当初予定していた通り,非可換アソシエーション・スキームの応用としてデザインの存在問題に挑戦する予定である。すでにいくつかの実験的な例については,行列の半正定値性から興味深い不等式が得られることがわかっており,今後はこれまで得られた結果意味づけや,応用対象の拡大を図る。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初の予定通り研究打ち合わせのため出張することができなかったため,旅費の支出ができなかった。
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