研究課題/領域番号 |
20K03539
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研究機関 | 大阪府立大学 |
研究代表者 |
水野 有哉 大阪府立大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (30726352)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 有限次元多元環 / 準傾複体 / 2項準傾複体 / g多面体 / g扇 / g単体的複体 / 前射影多元環 |
研究実績の概要 |
当該年度の主な研究成果として、共同で取り組んだ、有限次元多元環上の2項準傾複体が与える多面体(g-polytope)や扇(g-fan)の研究が挙げられる。以下この結果に関して詳細を述べる。 導来圏同値を与える傾複体の一般化として、準傾複体を考える事ができる。近年の研究から、長さが高々2の2項準傾複体は変異に関して、とりわけ良い振る舞いをする事が明らかとなっている。さらにこの2項準傾複体は、そのGrothendieck群を考える事により自然に多面体や扇を与え、それは非特異などの良い性質を持つ事が知られている。本研究の基本的な目的は、多元環上の表現論と、この多面体や扇との関係を調べる事である。 得られた主結果の一つとして、g-多面体のhベクトルが、加群圏のsemibrickと呼ばれる集合の数と対応するという事を明らかにした。この帰結として、多面体の一般論から従うhベクトルの対象性(symmetry)や単峰性(unimodality)から、semibrickにも同様の性質が成り立つ事が示された。表現論からこの結果を直接的に示す方法は明らかではないので、これは表現論への応用の一つと見る事もできる。その他にもDynkin型前射影多元環のg多面体について調べた。一般にDynkin型であっても、この多面体は凸性を満たさない事が分かるが、これに関しいつ凸性を満たすかを決定した。 これらの一連の結果を論文として完成させ,arXivに掲載するに至った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
コロナ禍にも慣れ,研究議論なども円滑に行う事ができるようになった.また共同で研究を行えたので,一人では知る事もできないような様々な題材について勉強する事もできた.
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今後の研究の推進方策 |
多くの興味深い研究題材が生まれたので、今後の研究においても取り組んでいきたい.
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナを理由に多くの研究集会がオンライン開催をなったため.今後は改善されていく事を期待している.
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