空間曲線は19世紀末から研究されている代数幾何学における古典的研究対象の一つである。中でも非特異3次曲面に含まれる曲線は、同曲面の持つ美しい性質(射影平面の6点爆発と同型でE_6型の対称性をもつ)により詳しく研究されてきた。未解決予想の一つとしてKleppe-Ellia予想がある。本予想は空間曲線のヒルベルトスキームの非被約成分に関する予想として提起されたが、本質的には同スキームの次元に関する予想と捉えることが可能である。解決のためには接空間の次元が大きい場合にスキームの次元を決定するという技術的困難が伴う。この困難を克服するために変形障害の理論を発展させ、障害類の計算技術が向上した。
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