代数多様体上の有理点の研究を行う上で、計量の付いた直線束のノルムの小さい大域切断を考えることが大変重要です。例えばこのような切断は、Faltingsの大定理の証明において、超越数論における補助関数の役割を果たしています。私はこのノルムの小さい切断に基底条件を課した上で、その存在や個数の問題を考えました。初年度に新型コロナウイルスが流行し、業務が多忙化したため、計画よりも予定が遅れてしまいましたが、当初の目的であった微分可能性について一般的な証明の方針を得ることはできました。またYuanとZhangによって開多様体上の同程度分布定理が示されたため、その関係についても鋭意研究を進めていきます。
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