研究課題
群 G が集合 X に作用しているとき、G-軌道全体から成る集合 X/G が得られる。この初等的事実を、代数幾何学のコンテクストで論じた理論が「幾何学的不変式論」、いわゆる GIT である。研究代表者は当該年度、GIT をスーパー対称性の幾何学において研究し、とくに次の定理(1)、(2)を証明した。(1)対応定理:スーパー代数群 G に対するスーパー・トーサー全体と、G に付随する代数群に対する、通常のトーサー全体とが1対1に対応する。(2)還元定理:スーパー代数群 G がスーパー・スキーム X に自由に作用するとき、fppf 商層 X/G がスーパー・スキームか否かは、それに付随する、通常の(自明な)対称性下にある対応物を見ればわかる。アフィン(スーパー)トーサーはちょうど、ホップ・ガロア拡大と対応する。実際、上の結果を証明するのに、ホップ・ガロア理論を大いに応用した。また、上の結果を含む論文を、Torsors in super-symmetry(大江拓哉と共著)arXiv: 2101.03461として発表した。研究代表者の長年の、また本研究課題の目標として、線形微分方程式のガロア理論(Picard-Vessiot理論)をスーパー対称性のコンテクストに一般化することがある。上記の結果を含む当該年度の研究成果により、この目標を達成する準備が整ったように思う。Torsors in super-symmetry(大江拓哉と共著)arXiv: 2101.03461として発表した。
2: おおむね順調に進展している
当該年度の研究成果により、本研究課題の1つの目的「線形微分方程式のガロア理論(Picard-Vessiot理論)をスーパー対称性のコンテクストに一般化する」を実現する準備が整ったように思われる。
これまでの研究成果をフルに応用して、線形微分方程式のガロア理論(Picard-Vessiot理論)をスーパー対称性のコンテクストに一般化する。
コロナ禍により、予定していた出張が実現できず、余剰が生じた。次年度にこれを実現する目的で、使用したい。
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (4件) (うち国際共著 1件、 査読あり 4件) 備考 (1件)
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