スーパー幾何学においては、1970年代に本格的な研究が始まって以来、主に微分幾何学的方法が用いられ、代数(幾何)学的方法の開発は遅れていたように思われる。本研究は、この遅れを取り戻すことにわずかでも貢献できたと思う。リー群が定義のうちに順滑性を仮定するのに比して、群スキームの定義がそれを仮定しないという点から見て、後者の取り扱いの方がより難しいと思われがちであるが、少なくともスーパー対称性のコンテクストにおいては、そうとも限らない。代数学の自由な発想で得たスーパー群スキームに関する結果の類似をたどることで、スーパー・リー群に関する新事実を知るという貴重な経験をした。
|