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2020 年度 実施状況報告書

正則アソシエーション・スキームの研究

研究課題

研究課題/領域番号 20K03557
研究機関兵庫教育大学

研究代表者

吉川 昌慶  兵庫教育大学, 学校教育研究科, 准教授 (10757743)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワード代数的組合せ論 / 正則アソシエーション・スキーム / 隣接代数
研究実績の概要

アソシエーション・スキームは有限群のある種の一般化である.したがって,有限群論で得られている諸結果をアソシエーション・スキームに拡張する研究が考えられるが,その方向性を捉えることは容易ではない.そこで,アソシエーション・スキームの中でも,有限群に近い性質をもつ正則アソシエーション・スキームを考察し,一般のアソシエーション・スキームの研究への足掛かりとすることが本研究の目的である.
今年度は,ベキ零群や可解群に対応するアソシエーション・スキームについて考察した.花木章秀氏による先行研究において,ベキ零群に対応するアソシエーション・スキームの定義が与えられている.しかし,有限群論においてp-群はベキ零であることが知られているが,p-群に対応すると考えられるp-スキームのなかで,この定義ではベキ零でない例が存在することが花木氏の論文の中で報告されている.このことから,任意のp-スキームを含むような,より弱いベキ零アソシエーション・スキームの定義を考察してきた.この研究に対して,いくつかの結果が得られたが,さらに深い考察が必要であると考える.
French氏やZieschang氏により,堅アソシエーション・スキームが研究されている.このアソシエーション・スキームは正則アソシエーション・スキームより少し広いクラスである.いままで得られている結果の堅アソシエーション・スキームへの拡張を考察しているが,いまのところ手掛かりは得られていない.
Residually thinに関係する部分集合列に関する研究,正則アソシエーション・スキームの重複度に関する研究を継続しているが,あまり進展していない.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

計算機実験によるデータの収集,反例の発見などは比較的順調である.実験結果からの予想を定式化し,その中のいくつかは結果が得られているが,成果として発表するには至っていない.Residually thinに関連する部分集合列に関する研究,正則アソシエーション・スキームの既約指標の重複度に関する研究はあまり進展していない.

今後の研究の推進方策

計算機による実験を行うことに加えて,主に
(1)ベキ零群,可解群に対応するアソシエーション・スキームの考察
(2)いままで得られた結果のより一般のアソシエーション・スキームへの拡張
(3)正則アソシエーション・スキームのモジュラー表現の考察
を行う予定である.

次年度使用額が生じた理由

新型コロナウィルスの影響により,旅費が発生しなかったため,多くの次年度使用額が発生した.国内・海外への移動が可能になれば,来年度に延期された研究集会等の旅費に使用する予定である.また,当初の計画よりも研究のための出張の回数を増やすことも考える.ノートパソコン,代数学および組合せ論関連の図書,計算機および周辺機器関連の消耗品,当初の計画になかった物品を購入する.

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公開日: 2021-12-27  

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