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2021 年度 実施状況報告書

横断トーリック幾何とその応用

研究課題

研究課題/領域番号 20K03592
研究機関鹿児島大学

研究代表者

石田 裕昭  鹿児島大学, 理工学域理学系, 助教 (00722422)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2024-03-31
キーワード複素多様体 / トーラス作用 / 葉層構造 / トーリック多様体
研究実績の概要

過去の自身の研究において, 多様体上の極大なトーラス作用の概念を導入し, コンパクトな複素多様体であって極大なトーラス作用を許容するものの完全な分類 が得られていた. またトーラス作用で不変な葉層構造, 横断ケーラー構造とモーメント写像を統一的に扱い, 複素多様体にはその複素構造だけから定まる特別な葉層構造 (canonical foliation) があり, それがモーメント写像を持つような横断ケーラー葉層構造の下界であることや, モーメント写像の像は凸多面体であること, すなわちシンプレクティック幾何における Atiyah, Guillemin-Sternberg の convexity theorem の類似が成り立つことを示していた. 極大なトーラス 作用つきの複素多様体に canonical foliation を入れたものの横断同値類が, marked fan とよぶ組み合わせ論的対象で記述されることを示していた. またこの 対応を用いて, 横断ケーラーな場合にはその basic cohomology が対応する marked fan によって記述されることを示していた.
昨年度はRoman Krutowski と Taras Panov との共同研究において, 上の結果から横断ケーラーの仮定を取り除くことができることを示した. この結果は2020年10月に査読付き学術雑誌に電子版が掲載, 出版されていたが, 2022年4月に印刷されたものが出版された.
また, 糟谷久矢氏との共同研究において, モーメント写像と葉層構造を用いてSU(3)上の左不変でない複素構造の研究を行なった. 得られた成果は論文に纏め, 現在, 登校中である.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

これまでに得られた知見を用いて, SU(3)上の複素構造の研究ができたことは大きな進展であると思う.

今後の研究の推進方策

今後の研究も,交付申請書に記述したとおり, 当初の計画に沿って研究を進めていく.

次年度使用額が生じた理由

前年度と同様, 新型コロナウイルス感染拡大によって, 出席, 講演を予定していた国内外の研究集会のほとんどがオンラインとなったために, 旅費にあまりが生じた. その分を次年度に使用したいと考えている.

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2022 2021

すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 1件、 招待講演 4件)

  • [雑誌論文] Basic Cohomology of Canonical Holomorphic Foliations on Complex Moment-Angle Manifolds2022

    • 著者名/発表者名
      Ishida Hiroaki、Krutowski Roman、Panov Taras
    • 雑誌名

      International Mathematics Research Notices

      巻: 2022 ページ: 5541~5563

    • DOI

      10.1093/imrn/rnaa252

    • 査読あり / 国際共著
  • [学会発表] Strong cohomological rigidity of Hirzebruch surface bundles in Bott towers2022

    • 著者名/発表者名
      Hiroaki Ishida
    • 学会等名
      International Polyhedral Products Seminar
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] Double sided torus actions and complex geometry on SU(3)2022

    • 著者名/発表者名
      Hiroaki Ishida
    • 学会等名
      第3回ヘッセンバーグ勉強会
    • 招待講演
  • [学会発表] 京都・九州・信州合同トポロジーセミナー2021

    • 著者名/発表者名
      石田 裕昭
    • 学会等名
      Bott多様体とHirzebruch曲面束
    • 招待講演
  • [学会発表] Bott多様体のコホモロジー剛性問題2021

    • 著者名/発表者名
      石田 裕昭
    • 学会等名
      第68回トポロジーシンポジウム
    • 招待講演

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公開日: 2022-12-28  

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