研究課題
基盤研究(C)
2次元および3次元の多様体の幾何構造として、双曲幾何構造は重要である。この構造を理解するため、2次元多様体の基本群の指標多様体の研究を行った。特に、2つのSL(2,C)の要素によって生成されるクライン群において、その生成元の位数が有限の場合について、算術的クライン群とよばれる代数的・幾何的に興味深いものとして、どのようなものが存在するかに関する研究を行った。研究へのアプローチとして、特に計算機実験を援用する方法を採用し、従来の方法では扱うことが難しかった問題を効果的に扱うことに成功した。
位相幾何学
現代の位相幾何学における主要な研究対象である図形に多様体とよばれるものがあり、それらがどのような形の変形を許容するのかという問題にアプローチすることは、数学の研究を進める上で基本的な意義がある。さらに、算術性などの代数的な手法や写像類群の作用という力学系との関係を明らかにすることにより、分野間の新たなつながりの解明に貢献した。また、本研究は手法としては計算機実験を特徴としており、計算機の応用領域を数理科学に拡げるという形での意義もある。