研究実績の概要 |
当該年度においては,単著論文「Flat fronts with polyhedral symmetry in hyperbolic three-space」を執筆し,学術誌 Journal of Geometry, Vol.113, No.1(オンライン版2022年2月22日)への掲載に至った.正多面体と同様の幾何的対称性をもつ平坦波面について研究し,それらの特徴づけや具体的な表示式を示したものである.波面は広義の正則性をもつ曲面の例と言える.正多面体は,面の数が4,6,8,12,20 の5種類あるが,論文で得られた平坦波面もそれぞれに応じて5種類ある.合同変換の対称性の一致に加え,頂点数とエンド数が一致する等の幾何的類似性を持つ. それに関連して,研究成果の口頭発表を2件行った.「On flat fronts with symmetry」Workshop on Surface Theory (2022年3月5日,於横浜) および「Flat fronts in hyperbolic three-space and related topics」, 日本数学会本会 幾何学分科会特別講演(於埼玉大学)である.後者については,学会自体の対面開催が中止されたため,予稿集の提出をもって成立とされた(日本数学会の HP 参照.)なお,日本数学会幾何学分科会幹事より,2022年度中に講演の機会を設ける方向との連絡をいただいている. また,投稿中の共著論文「Analytic extensions of constant mean curvature one geometric catenoids in de Sitter 3-space」について,査読者の肯定的な助言に基づいていくつかの修正を施し,再投稿中である.
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