| 研究実績の概要 |
最終年度は,研究課題である力学系の大偏差原理と関連して,Erdos-Renyi 法則とよばれる極限定理がいつ成り立つのかについて調べた.自然な誘導変換をもつ間欠写像力学系に対して,Lebesgue 測度を参照測度として Erdos-Renyi 法則 が成り立つための判定条件を得た.この結果について,とくぎんトモニプラザ(徳島県青少年センター)にて開催された「2024年度エルゴード理論研究集会」(2024年11月20-23日)および九州大学にて開催された「冬の力学系研究集会」(2025年1月10-13日)にて講演を行なった. 研究期間全体を通じては,1次元力学系に対して大偏差原理がいつ成り立ち,そのレート関数の零点集合が相転移現象にどのように反映されるのかについて調べた.あるクラスの平坦な臨界点をもつ単峰写像,不連続な区分単調写像やランダム力学系に対して大偏差原理が成り立つための判定条件をあたえ,それぞれ学術論文にて発表した. 研究期間全体を通じて,新型コロナ禍により移動を伴う外部との交流が大きく制限され,特に前半において他機関の研究者との対面での議論の機会が失われたが,eメール, Zoom, Skype やOverleaf といったインターネットによる通信手段を用いて,高橋博樹氏(慶應義塾大),山本謙一郎氏(長岡技術科学大),中野雄史氏(北海道大),Jens Wittsten 氏(Lund University, Sweden)等と共同研究を行なった. 2023年度には,広島大学にて「2023年度エルゴード理論研究集会」(12月6日(水)から9日(土))をオンラインとのハイブリッド方式で開催した.約40名の参加者があり,20の講演と活発な議論が行われた.
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