研究成果の概要 |
(1) 分担者の楠岡, 星野両氏と共に, exp(Φ)_{2}量子場の確率量子化を実現する特異確率偏微分方程式の一意強解を, モデルの特殊性を用いた新たな手法を提案することで構成した。またディリクレ形式との関係も明確に分かった。
(2) 量子場の離散幾何学的な研究を行うための準備として, 非コンパクトなリーマン多様体上のドリフト付きシュレーディンガー半群の離散近似の研究を分担者の石渡氏と行った。これはリーマン多様体上のファインマン-カッツ汎関数積分の有限次元和分近似を考えると言うことにも相当し, 大域解析学だけでなく確率数値解析や多様体学習の視点からも面白い研究である。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
近年の特異確率偏微分方程式の理論の進展により, 無限次元空間上の確率解析と構成的場の量子論の数学的研究の融合が進んでいるが, 本研究で得られた成果は, その中でも中心的なexp(Φ)_{2}-モデルの数学解析における基礎定理である。また, リーマン多様体上のドリフト付きシュレーディンガー半群の離散近似の研究成果であるが, ファインマン-カッツ汎関数積分の有限次元和分近似を考えると言うことにも相当し, 今後, 離散幾何解析的視点からの量子場の解析, 確率数値解析, 更には多様体学習への波及も期待できる。
|